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被告席に座った「裁判官」 朝鮮の国際問題評論家が米国を非難

 朝鮮の国際問題の評論家リ・グァンソン氏は8日、ガザでの大量虐殺を糾弾し止めようとする国際社会の要求に背を向ける米国を非難する、「被告席に座った『裁判官』」と題した文を発表した。

 文は、「米国は国際社会の一様な要求はものともせず、ためらわずに拒否権を行使することでガザの流血惨劇をやめさせようとする国際社会の希望さえもことごとく抹殺し、自分らが作っておいた『被告席』に自ら座った」と指摘、「人類の運命が危険に瀕しようと、自国の利己的目的だけを追求する国、地政学的目的のためなら国際平和と安全を犠牲にするのもためらわない悪の帝国が国際社会の審判台に上がるのは、あまりにも当然である」と強調した。

 以下は文の全文。

 米国と言えば、勝手に「基準」と「規定」を定めて国連加盟国に押し付け、世界の「裁判官」に振る舞うことで有名である。

 自分らに従順でない国々に、ややもすれば「平和破壊者」「人権蹂躙(じゅうりん)国」「ならずもの国家」「修正主義国家」など、ありとあらゆるあらを被せて「被告席」に座らせようとするのがまさに、米国である。

 ところが、この威厳ある「裁判官」がこんにち、「被告席」に座る一大悲喜劇が演じられた。

 2022年4月に採択された決議に従って、米国が先日ガザで即時停戦を実施することに関する安保理決議案に拒否権を行使したことを受けて、その理由を説明する国連総会全員会議が去る4、5の両日に行われた。

 会議で多くの国連加盟国は、米国が流血事態の終息を求める国際社会のアピールを無視して拒否権を行使することで、イスラエルに殺人免許証を発給してやった、それにも満足せず武器と弾薬の供給でイスラエルの人種絶滅行為をあおり立てているとして、「人権守護者」として振る舞っていた米国が民間人大虐殺の共犯としての正体を全世界にさらけ出したと峻烈に断罪、糾弾した。

 米国は、アルジェリアが提出した当該の決議案が持続可能な平和へとつながらないばかりか、むしろ人質釈放と臨時停戦交渉に妨害になったからだと自分らの拒否権行使の理由をくだくだしく説明したが、そのとんでもない口実は国際社会の非難と嘲笑だけを買った。

 実に、当然な罰だというべきであろう。

 この拒否権行使の理由を説明するシステムは、米国が自分らの強権と専横に反旗を翻す国を苦境に追い込む腹黒い下心の下、国連安保理改革を主張する国際社会の心理を巧妙に悪用して考案したものである。

 実際に、米国はウクライナ問題、シリア問題などに関する一連の国連安保理会議で、ある常任理事国の拒否権行使で自分らの不純な目的を達することができなくなると、国連総会全員会議を開いて「無責任性」をうんぬんしながら、集団的圧迫をあおり立てたばかりか、ひいては常任理事国の地位を剥奪すべきだと青筋を立てた。

 しかし、昨年に発生した中東事態で事情は変わった。

 イスラエルの無差別的な軍事攻撃によって、今この時刻も数多くのパレスチナ民間人が不慮の死を遂げており、ガザは文字通り人間屠殺場、阿鼻叫喚の生き地獄と化した。

 このような惨たらしい人道主義惨事の前で国際社会は驚愕を禁じ得ず、はては同盟国までもイスラエルを庇う米国に顔を背けている。

 しかし、米国は国際社会の一様な要求はものともせず、ためらわずに拒否権を行使することでガザの流血惨劇をやめさせようとする国際社会の希望さえもことごとく抹殺し、自分らが作っておいた「被告席」に自ら座った。

 結局、米国は自分が仕掛けた罠にかかる境遇となり、国連安保理で追放されるべき当事者は他ならぬ、自分自身であることを証明した。

 人類の運命が危険に瀕しようと、自国の利己的目的だけを追求する国、地政学的目的のためなら国際平和と安全を犠牲にするのもためらわない悪の帝国が国際社会の審判台に上がるのは、あまりにも当然である。

 米国は、これ以上せん越な「裁判官」の振る舞いをしながら世間の笑いものになるのではなく、国際社会の声に耳を傾けるべきであろう。(了)