朝鮮中央通信の報道によれば、朝鮮代表が第75回国連総会第6委員会で案件「国際テロ除去措置」の討議に参加、テロに関する朝鮮政府の原則的な立場を明らかにした(6日)。
朝鮮代表は、「国際的な対テロ闘争において何よりも主権国家の体制転覆を狙った国家テロ行為の根絶に優先的な関心を払わなければならない」と指摘、「一部の特定国家は自国の利害関係に従って主権国家に勝手に『テロ支援国』のレッテルを貼り付けて制裁と圧力を加えており、体制転覆行為に執着し続けて反政府テロ団体を支援している」と、暗に米国を非難した。
朝鮮代表の立場表明は、「国際テロ」に対する朝鮮政府の立場を、誤解や偏見を排除して理解するうえで不可欠な内容と思われる。
以下に、「朝鮮代表 テロに関する朝鮮政府の原則的な立場を宣明」と題した、平壌10日発朝鮮中央通信の日本語報道の全文を転載する。
朝鮮代表が6日、第75回国連総会第6委員会で案件「国際テロ除去措置」の討議に参加して、テロに関する朝鮮政府の原則的な立場を宣明した。
代表は、こんにち、国際平和と安全を破壊し、各国の自主権を脅かすテロ行為は世界が直面した最大の挑戦の中の一つになっていると述べた。
また、現実は各国がテロの根源に対する正しい見解を持ってそれに効果的に対処するための方途を真摯に模索していくことをいつよりも緊迫に求めていると強調した。
そして、国際的な対テロ闘争において何よりも主権国家の体制転覆を狙った国家テロ行為の根絶に優先的な関心を払わなければならないと述べ、次のように続けた。
主権国家の政権交代を目的とする国家テロは最も重大なテロ行為として、主権尊重、内政不干渉の原則を明らかにした国連憲章と国際法に対する乱暴な蹂躙となる。
しかし、一部の特定国家は自国の利害関係に従って主権国家に勝手に「テロ支援国」のレッテルを貼り付けて制裁と圧力を加えており、体制転覆行為に執着し続けて反政府テロ団体を支援している。
誰も、対テロ闘争が特定国家や勢力の政治目的の追求のためのテコに悪用されることを許してはならない。
代表は、現在論議中の包括的な国際対テロ協約に強権と専横で主権国家の自主権を乱暴に侵害する特定国家の国家テロ行為を問題視して根絶する条項が明白に反映されなければならないと主張した。
次に、テロの根源の除去に当然な関心を払わなければならないと述べ、テロを根絶するための国際的努力はテロの根源を除去する問題が先行されてこそ所期の目的を達成することができ、ひいては地球上でのテロの完全な終息へつながるようにすることができると語った。
代表は、あらゆる形態のテロ行為とそれに対するいかなる支援にも反対するのは朝鮮政府が堅持している一貫した立場であると強調した。
また、朝鮮が今後もあらゆる形態のテロを根源的に終息させ、朝鮮半島と地域の平和と安定を守っていく上で、その責任と役割を果たしていくと言明した。【朝鮮中央通信】