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MK通信(75)韓国から持ち込まれた悪性ウィルスに対する合理的思考

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 朝鮮に、韓国から新型コロナウィルスが持ち込まれた。ウィルスに感染した「脱北者」が厳戒態勢の軍事境界線を越えて越北するという、極めて特異な事件を通じてだ。

 この事件に対処するため朝鮮では25日に、朝鮮労働党中央委員会政治局非常拡大会議が緊急招集された。

手引きがなければ不可能

 労働新聞」は「ウィルスに感染したと疑われる越南逃走者が3年ぶりに、不法に軍事境界線を越え去る7月19日帰郷する非常事件が発生」したと報じ、「不法帰郷者の上気道分泌物と血液に対する数回の該当する検査を行い、悪性ウィルス感染者と医診(診断)できる釈然としない結果」が出たと報じた。

 韓国では、越南逃走者、つまり「脱北者」を北に対する南の優越性を示す存在として利用し、5年間実質的な監視下に置いている。このため、「脱北者」が北側に戻ることは極めてまれで、統一部発表によれば5年で11人。すべて中国経由で、軍事境界線を突破して戻った例はない。

 ところが、越南逃走者は監視期間中に、軍事境界線を突破して、さらにはコロナウィルスに感染した体で戻ってきたのだ。釈然とするはずがない。

 朝鮮に戻りたいと思った「脱北者」がいたとしよう。帰るには5年の監視期間を終え、ビザを取得し中国経由の経路を取るのが自然だ。何よりも安全で確実だからだ。軍事境界線を突破するのは、成功確率が限りなくゼロに近く命を落としかねない無謀な方法だ。

 軍事境界線を越えられる権限を持つ何者かの手引きがなければ不可能、というのが合理的思考と言えよう。

説得力ない軍警の説明

 実際韓国軍と警察が発表、もしくは意図的にマスコミに流している情報は、曖昧で説得力がなく、非現実的思考に見える。言葉を換えればつじつま合わせの作文の疑いを持たざるを得ない。

 南の軍警は、越南逃走者は女性暴行の疑いで取り調べ中にあったと喧伝し、北側に戻る動機があったように装うのに必死になっている。しかし、警察は取り調べ中にある越南逃走者をやすやすと見逃している。それも5年の監視期間中なのに、だ。滑稽なのは頭隠して尻隠さずで、動機を強調するあまり、監視期間中で取り調べている罪人をなぜ取り逃がしたのかという点に、答えを用意していないことだ。ただ「ずさん」「ミス」を繰り返し、言い逃れしようとしている。

 軍も同様だ。脱出経路についてだが、軍は江華島(カンファド)から排水路を通じて海にでて泳いで戻ったと推定している。

 にわかに信じるにはあまりにも乱雑な説明だ。この点については、当サイトにアップしてある【解説】写真からみる「コロナ感染脱北者」越北の茶番で詳しく説明している。

 要点は、排水路周辺には二重の鉄策があり、カメラ、センサー、赤外線で監視されており、監視網を避けて脱出するには手引きがなければ不可能ということ。さらにはこの排水路には、豚コレラに感染したイニシシが入れないように格子が設置されていると軍が説明していたところ。にもかかわらず、この排水路を通ったと言うだけで格子があるなら通れないのではないのか、という疑問には答えようとしていない。 ちなみにこの排水路の写真をグーグルアースから取り出し拡大してみると、海に通じる排水路には鉄策が設けられている。

米韓の情報機関が仕組んだテロの疑い

 ウィルスに侵された「脱北者」の帰郷は、米韓の情報機関によって仕組まれた一種の「バイオテロ」「コロナテロ」と見るのが合理的であるように思える。

 古い話だが、1971年にキューバで豚がアフリカ豚熱ウィルスに侵され、50万頭の豚がと殺されたことがある。この事件が「キューバ経済を不安定にし、フィデルカストロへの国内反対」を奨励する目的で、米国中央情報局当局者の支援を受けた反カストロ破壊工作員によって仕組まれたことが明らかになっている。

 朝鮮の体制に危機的状況を生じさせる目的で、米韓情報当局が「バイオテロ」「コロナテロ」を仕組んだとしても何らの不思議はない。

 「脱北者」団体に資金を与え、外部情報流入を目的に風船ビラを送り込む米国。米国はシリアでは小麦畑を焼いて食糧難を持たらそうとする非人道的で野蛮なテロも躊躇していない。文在寅政権は米国に追従して、首脳会談の約束も守らず風船ビラを意図的に放置してきた。

 「他人くたばれ、われ繁盛」は、米韓が朝鮮に対して、徹底して取ってきた姿勢だ。

 新型コロナウィルスで苦しむ米国、ウィルス対策の模範生と言われながら毎日出る感染者を制御できない韓国にとって、迅速で強力な防疫体制で流入を封じ、人道支援、医療協力提案をことごとく拒否する、朝鮮を放置しておくことができなかったのであろう。

 4月に朝鮮最高指導者の「健康異常説」というデマを世界中にまき散らしたCNNは、「今回の脱北者が検査で陽性となり大規模な感染を引き起こせば、・・・最大の脅威のひとつとなりかねない。」(7.28)と報じた。「他人くたばれ、われ繁盛」を地で行く品のない報道だ。

 朝鮮では、19日に帰郷した越南逃走者に対する基本的調査と診断を23日までには終え、24日午前に報告、午後には開城を完全封鎖する措置が取られ、非常防疫体制を最大非常態勢に格上げした。

 越南逃走者が持ち込んだコロナウィルスは、CNNが望むような「脅威」にはならない。ウィルスを抑えられず、感染を拡大している米国とは異なり、朝鮮は、長くても数か月あれば、越南逃走者が持ち込んだコロナウィルスを制御するだろう。(M.K)