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【解説】写真からみる「コロナ感染脱北者」越北の茶番

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「写真①」脱北者が海に出たとされる排水溝

 韓国軍はコロナに感染した脱北者江華島(カンファド)から排水路を通じて北朝鮮入りしたと推定していると発表している。理由は「現場で遺棄されたバッグが見つかった」からだという。
 虚偽だという決定的証拠はまだ見つからないが、うのみにするには納得できない理由が多く、世論を欺く茶番の可能性が高い。
 水も漏らさぬ厳戒をものともせず、朝鮮に渡るために通った排水路は、冒頭に掲げた写真にみる排水路だ。便宜上これを「写真①」とする。記事の最後に紹介した写真をみると排水溝の周辺がわかる。「写真②」「写真③」としよう。
 すべてを確認したわけではないが、韓国の出版物を見ただけでは排水溝の部分だけを切り取ったもので、背景にある鉄条網の存在も、周辺状況も分からないものが多い。なぜかはここでは問わない。

信頼できない韓国軍の発表
 3枚の写真を見てわかるのは、海に繋がる排水溝は物々しい鉄条網の内側に近接してある一方、左側に燕尾亭(ヨンミジョン)を確認することができ、軍事施設保護区域内にある観光地だが、写真撮影も制限されている警戒地域だ。
 韓国紙の報道によれば、「海岸に二重に鉄柵が張られており、鉄柵には科学化警戒システムが設置されている。韓国軍当局は軍兵力減少に備えるため科学化警戒システムを通じ前方・海岸・川沿い警戒に各種センサーとカメラを投じている。北朝鮮黄海道(ファンヘド)と近い江華島北側は赤外線監視システム(TOD)まで設置された状態だ」(「中央日報」7.27)という。
 にもかかわらず、脱北者は脱出前後共に軍の監視システムに捕らえられていないことになっている。
 排水溝の写真を拡大してみるとわかるが、中に鉄策が設けられている。上記韓国紙によれば、「軍当局は昨年アフリカ豚コレラ(ASF)が流行した際に感染したイノシシが北朝鮮から排水路を通じて韓国に入ってきた可能性が提起されたことに対し、『格子のため不可能だ』と強調した。しかし今回男性が排水路を北朝鮮に戻る通路として使った状況が明らかになり当時の軍当局の説明は説得力を失った」と報じた。つまり軍の発表は時々の状況によって変わるご都合主義発表で信頼に値しない。

手引きがなければ不可能
 百歩譲って軍発表のように脱北者がこの排水溝から脱出したとしよう。軍当局は日時を発表してないが、脱北者が7月18日午前2時20分頃、燕尾亭近くでタクシーを降りたという情報を韓国紙に流している。脱北者が塩の流れに乗って泳いだと見るのが自然で、18日の満潮は午前2:57、午後15:07。19日のそれは午前3:44、午後16:41だ。朝鮮側が発表した事件発生日は19日。18日に渡ったと見るには無理があり、軍当局は具体的な発表は極力避けている。ぼろがでるのを防ぐためだろう。軍はなぜか、この排水溝ではなく、近くの排水管門を通った可能性も排除していない。排水溝でバックが発見されたと発表しているにもかかわらず、だ。
 さて、脱北者がこの排水溝を通れると確信していた理由は何なのだろう。
 早朝タクシーを乗り付けたというから、確信していたのであろう。確信しうる手引きがあったと見るのが自然だが・・・。
 「脱北者」を北に対する南の優位性を示す「生き証人」とみなす韓国にとって脱北者の越北はあってはならないこと。
 南の優位性に疑問を投げかける越北事件が起きたのに政府も、軍も、反朝鮮世論も静かだ。その代わりにCNNの報道のように朝鮮が「コロナ危機」に見舞われると大はしゃぎしている。
 脱北者越北事件が米韓の情報機関によって仕組まれたとの疑いをぬぐえない。もしかするとこの脱出路に関する発表すべてが作文である可能性すらある。(了)

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「写真②」排水路周辺 左に燕尾亭を確認できる

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「写真③」燕尾亭の反対側から見た排水路周辺