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「すべてが2018年北南首脳会談以前の原点に回帰している」朝鮮の人民武力省スポークスマン談話

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 「敵がわれわれを討とうと公然と騒ぎ熱を上げているのにわれわれが静かに座っていられようか」

 朝鮮の人民武力省スポークスマンが7日、韓国軍部が空軍空中戦闘司令部所属「F-15K」「KF-16」「F-4E」「FA-50」戦闘機20余台と海軍2艦隊所属高速艇などを朝鮮西海熱点地域に終結させ行った合同軍事演習を厳しく非難する談話を発表した。

 談話は、ことあるたびにわれわれに、緊張緩和の助けにならない、中断、遺憾などと自動応答機のような言葉を繰り返した軍部の主人が、これ以上言う言葉を失わせる軍事対決の極致と非難し次のように指摘した。

 「すべてが2018年北南首脳会談以前の原点に回帰している。

 今回の合同演習は過去に北南双方の間で軍事衝突が発生した朝鮮西海の最大熱点地域(緊張地域)の空中と海上で行われ、われわれのいわゆる「異常兆候」と「挑発」を仮定したうえで公然と強行した。

 さらに重大なのは南朝鮮軍部がわれわれを「敵」と呼びこのような軍事演習を行った事実だ。

 これは必ず見過ごすことができない重大な挑発であり、必ずわれわれが必要な反応をせざるを得ない状況である。」

 このような指摘から明らかなことは、①西海の緊張地帯で演習が強行されたこと②朝鮮側の「異常兆候」を想定した演習であること③朝鮮を「敵」と規定して演習を強行したことーを問題視していることだ。

 「異常兆候」とは「健康異常説」を指しており、韓国では、米韓が「健康異常説」を意図的に流し、朝鮮首脳の居所をあぶりだし「斬首作戦」を企図したとの見方がある。朝鮮にとっては許すことができない挑発であることは二言を待たない。談話が「異常兆候」を仮定して強行されたと指摘したことは、朝鮮が、文在寅政権下の軍部が極めて危険な挑発を試みていると受け取っていることの表れと見ることができる。また北南首脳会談で共同宣言を発表したパートナーである朝鮮を「敵」と位置づけ、熱点地域と呼ぶ緊張地帯で演習を強行したことは、南北合意に対する裏切りでしかない。

 「すべてが2018年北南首脳会談以前の原点に回帰している」「見過ごすことができない重大な挑発であり、必ずわれわれが必要な反応をせざるを得ない状況」との指摘は、朝鮮半島情勢に対する朝鮮側の厳しい見方を反映したものと受け取れよう。

 談話が、演習は北南軍事合意に全面的に逆行するもので露骨的な背信行為、敵はやはり敵である事をあらためて認識する機会になったと指摘したのは偶然ではない。

 談話は、「敵がわれわれを討とうと公然と騒ぎ熱を上げているのにわれわれが静かに座っていられようか」と結んでおり、文在寅政権が米国に追従して緊張を激化させ、すべてを北南首脳会談以前の原点に回帰させれば、全面対決は避けられなくなる。

 発表された談話は、多くの談話の内の一つではなく、文在寅政権と軍部によって2018年以前に回帰している重大な局面で出された警告で軽視すれば朝鮮半島情勢を見誤る。