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大韓民国とは民族中興、統一の道を共に歩めない 金正恩朝鮮労働党総書記の施政演説から

 金正恩朝鮮労働党総書記、朝鮮民主主義人民共和国国務委員長は1月15日、朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議第14期第10回会議で綱領的な施政演説「共和国の繁栄・発展と人民の福祉増進のための当面の課題について」を行った。

 以下に紹介するには、施政演説の中の、国防力強化のための課題、対南政策の根本的転換の関連する措置、戦争に対する共和国政府の立場、対外政策部門についての報道内容。(労働新聞1月16日 中見出し、ゴシックは編集部)

 

 代議員のみなさん!

 自衛的国防力強化

 わが共和国は、平和愛好的な社会主義国家であり、侵略と干渉のない平穏で安定した環境の中で自主的発展の道へ進もうとするわれわれの志向は終始一貫であり、そのためにささげた代償も莫大である。

 しかし、わが国家の安全環境は緩和するどころか、日増しに悪化一路を記録したし、こんにちは世界で最も危うい戦争勃発(ぼっぱつ)危険地域となった。

 米当局者らが時を構わず吐いているわれわれの「政権の終えん」に関する妄言とともに、共和国周辺地域にほぼ常時駐屯している膨大な核戦略資産、追随勢力を糾合して歴代最大規模に絶えず繰り広げる戦争演習、米国のそそのかしの下で強化される日本、大韓民国の軍事的結託などは、わが国家の安全を刻一刻、一層重大に害している。

 年代と年代を継いで持続的に強行されている米国の滞りのない反朝鮮対決政策とそれに無条件的に屈従する大韓民国のような奴僕国家の自滅的妄動は、わが共和国の敵愾心を促進させる一方、軍事力強化の正当な名分と圧倒的な核戦争抑止力をより非常に向上させるべき当為性を十分に提供している。

 今、米国とその手先らは、戦争熱に浮ついている。

 われわれは、祖国と人民、子孫万代の安泰を目的にして自衛的国防力強化の道を変わりなく進まなければならない。

 この場に列席した代議員のみなさんは、こんにち中東で起きている無差別的な戦争の惨禍を他人事にだけ思ってはならず、軍事力はすなわち国家と人民の安全であり、尊厳であり、威容であるという確固たる信念を刻み付けて、われわれの自衛的国防力を百倍、千倍に最上最大に打ち固めるために全力を尽くさなければならない。

 改めて強調するが、わが軍隊は国家の安全と人民の安泰を生命を賭して守るべき自分の崇高な使命を銘記し、敵のいささかの軍事的動きも逃さず鋭く注視しながらいかなる形態の挑発的行為も圧倒的な対応で徹底的に、無慈悲に制圧、粉砕できるように確信性のある万般の備え態勢を整えなければならない。

 大事変の準備が差し迫って現実化し、それを強力な軍事行動でやり遂げるべき重大な使命がわが軍隊に負わされているのに合わせて、全軍の各級は党中央委員会第8期の各総会と党中央軍事委員会の精神を真摯(しんし)に学習して貫徹し、実戦化した訓練を強化すると同時に、政治・思想教育にいつものように大きな力を入れることによって、政治的・思想的および軍事技術的優勢で敵との対決で必ず勝てるように準備しなければならない。

 金正恩総書記は、人民軍の戦争準備は武装装備の近代化と切り離して考えられないと述べ、軍需工業部門が現情勢と発展する革命の要求に即して今年、朝鮮民主主義人民共和国の核戦争抑止力強化と国家防衛力増大のための責任ある闘いで、堅持して貫徹すべき戦略的課題を提示し、次の問題について続けて言及した。

 この地に住む公民なら、誰もが祖国防衛を最大の愛国と見なし、自発的に奮い立たなければならない。

 全人民抗戦で国も守り、革命的大事変も迎えようとするのが、わが党の戦略的構想である。

 民防衛部門では、かつて戦争準備の完成に慢性的に対して形式的に、間に合わせに行ったことから深刻な教訓をくみ取って新たなスタートを切るという観点と立場に立って革命的に奮発しなければならない。

 国の防衛力、軍事力を強化するための活動は名実共に全国家的な事業として共和国領内の全ての機関、企業、団体と公民は、軍事に対する正しい観点を持って軍事力強化に必要な全てのものを最優先的に、最も高い質で保障することをたがえない鉄則にしなければならない。

 各級人民政権機関は、一朝有事の際、即時戦時体制へ移行できる徹底した対策を立て、全人民抗戦のための物質的準備も抜かりなく整えるようにしなければならない。

 最高人民会議の代議員のみなさんは、国の防衛力強化に一役買うことを自分の当然な義務と見なし、自分の部門、自分の単位に任された軍事課題を狂いなく遂行すべきであり、軍事をおろそかにする傾向は適時に問題視して徹底的に克服するようにすべきである。

 代議員のみなさん!

共和国対南政策の根本的転換

今日、最高人民会議ではほぼ80年間の北南関係史に終止符を打ち、朝鮮半島に並存する二つの国家を認めたことに基づいて、わが共和国の対南政策を新しく法化した。

 党中央委員会2023年12月総会でも厳かに宣明されたように、わが党と政府と人民は流れた歴史の長きにわたる期間、いつも同族、同胞という観点から度量の大きい包容力と粘り強い忍耐力、誠意ある努力を傾けて大韓民国の連中と祖国統一の大義を虚心坦懐に論じたりもした。

 しかし、苦い北南関係史が与える最終結論は「政権崩壊」と「吸収統一」を夢見ながらわが共和国との全面対決を国策としており、日増しに道理に外れて凶悪になり、傲慢(ごうまん)無礼になる対決ヒステリーによって同族意識が骨抜きになった大韓民国の連中とは民族中興の道、統一の道を共に歩めないということである。

 北南関係がこれ以上同族関係、同質関係ではない敵対的な二国家関係、戦争中にある完全な二つの交戦国関係であるという現実は、外部勢力の特等手先集団である大韓民国が極悪で自滅的な対決妄動で書き込んだ北と南の明白な現住所であり、世界に向けて滞りなくベールをはがした朝鮮半島の実状である。

 今回、われわれが朝鮮民主主義人民共和国の国法を論じる最高人民会議で北南関係と統一政策に対する立場を新しく定立し、平和統一のための連帯機関として設けたわれわれの関連団体を全て整理したのは、どうしても経過すべき必須不可欠の工程であると言える。

 わが国家の南の国境線が明白に引かれた以上、不法無法の「北方限界線」をはじめとするいかなる境界線も許されず、大韓民国がわれわれの領土、領空、領海を0.001ミリでも侵犯するなら、それはすなわち戦争挑発と見なされるであろう。

 これに関連して、朝鮮民主主義人民共和国憲法の一部の内容を改正する必要があると思う。

 すでに、私はこの前の総会で大韓民国憲法というものに「大韓民国の領土は朝鮮半島とその付属島嶼とする」と公然と明記されている事実について想起させた。

 今回、一部の外国の憲法資料を調べてみると、国家主権が行使される領域部門、言い換えれば自国の領土、領海、領空地域に対する政治的および地理的な定義を憲法に明白に規制している。

 現在、わが国の憲法には上記の内容を反映した条項がないが、わが共和国が大韓民国は和解と統一の相手、同族であるという現実矛盾的な既成概念を完全に払拭して徹底的な他国に、最も敵対的な国家に規制した以上、独立的な社会主義国家としての朝鮮民主主義人民共和国の主権行使領域を合法的に正確に規定するための法律的対策を立てる必要がある。

 朝鮮半島で戦争が起こる場合には、大韓民国を完全に占領、平定、収復し、共和国領域に編入させる問題を反映することも重要であると思う。

 そして、わが人民の政治・思想生活と精神・文化生活の領域で「三千里の錦繍江山」「8千万同胞」のように、北と南を同族にまどわす残滓的な単語を使用しないということと、大韓民国を徹頭徹尾、第1の敵対国、不変の主敵と確固と見なすように教育を強化するということを当該の条文に明記するのが正しいと思う。

 この他にも、憲法にある「北半部」「自主、平和統一、民族大団結」という表現が今や削除されなければならないと思う。

 私は、これらの問題を反映して共和国憲法が改正されなければならず、次回の最高人民会議で審議されなければならないと思う。

 憲法改正と共に、「同族、同質関係としての北南朝鮮」「わが民族同士」「平和統一」などの象徴として映りかねない過去時代の残余物を処理するための実務的対策を適時に伴わせなければならない。

 差し当たり、北南交流協力の象徴として存在していた京義線のわが方の区間を回復不可の水準に物理的に完全に断ち切ることをはじめ、境界地域の全ての北南連携条件を徹底的に分離させるための段階別措置を厳格に実施しなければならない。

 そして、首都平壌の南の関門に無様に立っている「祖国統一3大憲章記念塔」を撤去するなど、自余の対策も実行することによって、わが共和国の民族史で「統一」「和解」「同族」という概念自体を完全に除去しなければならない。

 戦争勃発時には大韓民国を壊滅、崩壊させる

 この機会を借りて、私はわが共和国がいかなる情勢の変化にも揺るぎなく自分の生命のように放棄せず、強力にとらえていく自衛的国防力強化の革命的性格について再び明白にしようとする。

 われわれが育む最強の絶対的力は、いわゆる一方的な「武力統一」のための先制攻撃手段ではなく、徹底的にわれわれ自らを守るために必ず育むべき自衛権に属する正当防衛力であることを再び確言する。

 力の論理が支配する今日の世界で、そして数十余年にわたって戦争の危険が恒常的に漂っているホットスポット地域のわが国家にとって強力な軍事力の保有は、国と民族の運命を守るために必ず選択しなければならない必然的な闘争工程であり、宿命的に受け止めるべき歴史的課題である。

 敵のしつこい圧迫と制裁が伴われる最悪の難関が持続する中でも、われわれがいささかの動揺もなく最強の自衛的国防力と核戦争抑止力を非常に打ち固めてきた結果、長い歳月、この地でいかなる侵略勢力もあえて最悪の戦争勃発(ぼっぱつ)までは思いもよらなかったのである。

 明白にしておくが、われわれは敵が手出ししない限り、決して一方的に戦争を決行しないであろう。

 これを、何らかのわれわれの軟弱さに見誤っては絶対にならない。

 そうだからといって、われわれの自衛的な国家防衛力がただ自分を防御し、戦争を防ぐことにだけ限られているのか?

 絶対に、そうではない。

 すでに、私はわれわれの核戦力の戦争抑止という本領以外の第2の使命について明白に言及したことがある。

 大韓民国という最大の敵国がわれわれの最も近い隣りに並存している特殊な環境とヤンキーの主導の下に軍事的緊張激化によって地域情勢の不安定性が増大する現実を冷徹に考察してみれば、物理的衝突による戦闘の拡大によって戦争が勃発する危険は著しく高まり、危険段階に至った。

 われわれは、戦争を願わないが決して避ける考えもない。

 戦争を選択するいかなる理由もなく、したがって一方的に決行する意図もないが、いったん、戦争がわれわれの前の現実に迫ってくるなら、絶対に避けるのに努力しないであろうし、自分の主権死守と人民の安全、生存権を守ってわれわれは徹底的に準備された行動に完璧(かんぺき)に、迅速に臨むであろう。

 戦争は、大韓民国という実体をむごたらしく壊滅させ、崩壊させるであろう。

 そして、米国には想像できなかった災難と敗北を与えるであろう。

 われわれの軍事的能力はすでに、そのような準備態勢にあり、速いスピードで更新されている。

 もし、敵が戦争の火の粉でもはじくなら、共和国は核兵器が含まれる自分の手中の全ての軍事力を総動員して、われわれの敵を断固懲罰するであろう。

 反帝・自主は第1の国策

 代議員のみなさん!

 反帝・自主は正義、真理であり、尊厳と主権、平和と安全はこの道でのみしっかり守られる。

 正義と平和を守り、進歩と発展を志向し、友好と団結を図るのは、わが党と国家の対外政策的立場である。

 朝鮮民主主義人民共和国は、反帝・自主を絶対不変で、一貫した第1の国策として不法無法の二重基準で世界の平和と安定を無残に蹂躙(じゅうりん)し、侵奪している米国の極悪な自主権侵害行為を絶対に許さないであろうし、主権尊重と内政不干渉、平等と互恵に基づく国際的正義を実現し、新しい国際秩序を樹立するために積極的に闘っていくであろう。

 対外活動部門は、激変する国際政治地形と安保環境に主動的に対処するための活動を策略的に、積極的に展開して、わが革命に有利な条件と環境を整え、国権守護、国益死守の原則に基づいて一寸の脱線や譲歩も許してはならない。

 社会主義国との関係発展を優先課題にして双務的・多角的協力をより一層強化し、国際的規模での反帝共同行動、共同闘争を果敢に展開し、自主と正義を志向する全ての国、民族と思想と体制の差を超越して団結し、協力して、国の対外関係領域を一層拡大するための活動で新たな進展を遂げなければならない。

 これらの課題が、共和国政府が差し当たりとらえて必ず貫徹すべき主要政策である。(了)