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強盗との対話ではなく実力行使で強権と専横を抑止する 金與正党副部長が談話発表

 朝鮮労働党中央委員会の金與正副部長は17日、米国が事あるたびに強調している「前提条件のない対話」と関連する談話を発表した。

 談話は米国の言う「前提条件のない対話」云々の欺瞞性について言及、「結局、米国が対話の場でわれわれにプレゼントできるものは全て可変的かつ可逆的なものだけ」で米国がわれわれから願うものは『完全かつ不可逆的な非核化』である」と指摘、「その可逆的な性格を帯びる公約を信じてわが国家の永遠な安全を当面の利益と取り換えることができるのか?れわれは損することはしない」と強調した。

 また談話は、「現在、朝鮮半島の平和と安定を保障することのできる最も適当な方途は強盗さながらの米国人と対座して仲良く問題を解決するのではなく力の地位で、十分な実力行使で彼らの強権と専横を抑止することである」との認識を示し、「数日前、米国が懸念を抱いて目撃したのはすでに開始された朝鮮民主主義人民共和国の軍事的攻勢の始めにすぎない」と警告した。

 金與正党副部長談話と関連、日本のマスコミは「米韓核協議グループ非難」の焦点をあてて報じているが、米国の“対話表明”に重点を置いた談話の趣旨を歪曲するものである。

 以下に談話の全文を掲載する。

 最近、米国側はわれわれが対話に応じないという世論を喚起している。

 最近、自分らが最も恐れていることを引き続き目撃した以後、不安で、いらだたしい米国の心理がそのまま反映された動向である。

 今、朝鮮半島情勢は2017年に朝米双方間に生じた先鋭な対決水位をはるかに超えて実際の武力衝突可能性、核戦争勃発可能性まで取り上げられている状況に至った。

 これら全ての事態の責任が誰にあるかということに対してはすでに明らかにしたから、今回は米国が世界に向かってそれほど訴える「前提条件のない対話」と「外交の門が開かれている」ということがどんなに荒唐無稽なのかを明らかにするつもりである。

 20世紀90年代から米国と対話と協商を繰り返してきたわれわれとしては、現米行政府が持ち出した「前提条件のない対話」の提案に自分らが恐れることをとどめるための術策が潜んでいるということを知らないのではない。

 仮想的に朝米対話が開かれるとしても、現米行政府が協商テーブルの上に上げる風呂敷包みというのが「CVID」などにすぎないのは明白なことである。

 今になって非核化という言葉は、実に古語辞典でのみ探して見るべき、現実で通じないことである。

 米国がいくら頭をひねくれてみても今、われわれと協商の条件、取り引きの種になりえるのを見いだすことができるのか?

 かりに、米国が数年前に前任者が公約した米国・南朝鮮合同軍事演習の暫定中断のような古い術数をまたもや持ち出したり、せいぜいして連合軍事訓練の縮小や戦略資産展開中断のような可逆的なものを持って誰それの興味をそそってみようと接近する可能性も予見することがある。

 時間稼ぎのためのそんな浅い術策にだまされるわれわれではない。

 米戦略資産が朝鮮半島に進入するのは決心さえすれば10余時間なら展開が完了し、合同軍事演習も兵力を再投入して再開するのに長くて20日なら十分であろう。

 もちろん、幻想的ではあるが、かりに米国が南朝鮮駐屯米軍撤退のような戦略的なトリックを持ち出して南朝鮮から軍隊と装備を全部撤収するとしても、われわれは海外駐屯米軍武力が再び入って「大韓民国」を軍事要衝につくることには15日間ほどしかかからないという点を知らないのではない。

 今日には「テロ支援国」の帽子を脱がせたが、明日には再びかぶらせることくらいは米国政治界では朝飯前のことである。

 結局、米国が対話の場でわれわれにプレゼントできるものは全て可変的かつ可逆的なものだけであるという点をわれわれは余りにも明白に知っている。

 ところが、米国がわれわれから願うものは「完全かつ不可逆的な非核化」である。

 だとすれば、その可逆的な性格を帯びる公約を信じてわが国家の永遠な安全を当面の利益と取り換えることができるのか?

 われわれは損することはしない。

 米国との対話になぜわれわれが全く利害関係を持っていないのかを今や、米国も知って余りあるであろう。

 われわれの新型大陸間弾道ミサイルICBM)発射に関連する今回の国連安保理会議を通じてもわれわれは、文在寅政権から尹錫悦政権に、トランプからバイデンへの政権変化と共にわれわれの敵手らがいかに対朝鮮政策を延長し、どんな甘い夢を見ているのかを再度明白に確かめることができた。

 いくら前大統領が署名し、公約したものだとしても新しい政府が発足すればそれを自分の手のひらのようにひっくり返すのがまさに、アメリカ合衆国と「大韓民国」である。

 それゆえ、われわれは尹錫悦やバイデンのようないかなる個人を相手にして戦略を駆使するのではなく、米国の特等手先である「大韓民国」と世界悪の帝国であるアメリカ合衆国を相手に長期戦略を立てるべきであり、圧倒的な抑止力に基づいて朝鮮民主主義人民共和国の展望的な安全保証システムを構築しなければならない。

 米国が合同軍事演習の暫定中断や戦略資産展開の中止、可逆的な制裁緩和などでわれわれの前進を止め、ひいては不可逆的な武装解除を実現することができると思うなら、それは妄想である。

 われわれは現実を直視し、現実を重視する。

 こんにち、われわれの前の現実は米国が自動応答機のように唱える対話ではなく、われわれの鼻先に時を構わず飛来する核戦略爆撃機とわれわれの主権領域を侵犯する米国の空中偵察行為であり、われわれに対する核兵器使用を公然と謀議する「核協議グループ」会議の招集と40余年目に初めて朝鮮半島水域に進入する米戦略原子力潜水艦の出現である。

 米国は、拡張抑止体制を一層強化するほど、威嚇的な実体である軍事同盟体制を過度に拡張するほど、われわれを自分らが願う会談のテーブルからより遠ざけるようにするだけであるということを認識しなければならない。

 現在、朝鮮半島の平和と安定を保障することのできる最も適当な方途は強盗さながらの米国人と対座して仲良く問題を解決するのではなく力の地位で、十分な実力行使で彼らの強権と専横を抑止することである。

 われわれは、国家の主権と領土保全を侵害し、人民の安泰を脅かし、朝鮮半島地域の平和と安定を破壊するいかなる行為にも断固と対応する準備ができている。

 米国は、自分自身の安保を危うくしてまでわれわれに手出しする愚かな行為を中止しなければならない。

 数日前、米国が懸念を抱いて目撃したのはすでに開始された朝鮮民主主義人民共和国の軍事的攻勢の始めにすぎない。(了)