朝鮮外務省は26日、「米国は国際平和と安定の根幹を崩してはならない」と題する、国際政治研究学会リ・ジソン研究員の文をHPに載せた。
文は、「21世紀の悲劇をもたらしたイラク戦争とアフガニスタン戦争、色とりどりの「カラー革命」は、米国と西側が覇権政策実現のためには手段と方法を選ばないことを如実に実証している」と指摘、ウクライナ事態もまたロシアの合法的な安全上の要求を無視して、世界の覇権と軍事的優位だけを追求しながら一方的な制裁圧迫にのみしがみついてきた米国の強権と専横にその根源がある」と米国を非難した。
朝鮮外務省がウクライナ事態と関連して、リ・ジソン研究員個人の名とはいえ、その根源が「米国の強権と専横」にあるとの見解を表明したのははじめて。
以下に「米国は国際平和と安定の根幹を崩してはならない」の全文を紹介する。
今日の世界が直面する最大のリスクは、国際平和と安定の根幹を崩している米国とその追随勢力の強権と専横である。
米国の一方的で不公正な冷戦式思考方式と、敵味方に分ける対外政策により国際関係の構図は新しい冷戦の構図に変わりつつあり、世界各地の熱戦地域では政治、軍事情勢が日増しに緊張し、新たな難問が次々と生まれている
振り返ってみると、残酷な災難と喪失の痛みをもたらした二度の世界大戦の勃発も帝国主義の貪欲にその根源を置いており、前世紀に地球上で起きた大小の戦争は間違いなく帝国主義者たちの内政干渉的な策動と結びついている。
特に去る世紀末に起きたNATOのユーゴスラビア空襲は世界の平和と安定、領土完全と主権守護に対してしつこく繰り返してきた米国と西側の偽善がどの程度に至り、国際平和と安定の破壊者が果たして誰であるのかを赤裸々に見せる契機になった。
21世紀の悲劇をもたらしたイラク戦争とアフガニスタン戦争、色とりどりの「カラー革命」は、米国と西側が覇権政策実現のためには手段と方法を選ばないことを如実に実証している。
米国が干渉する地域や国々ごとに不和の種がまかれ、国家間の関係が悪化しているのが一つの法則のように固まっているのが、現国際秩序である。
ウクライナ事態もまたロシアの合法的な安全上の要求を無視して、世界の覇権と軍事的優位だけを追求しながら一方的な制裁圧迫にのみしがみついてきた米国の強権と専横にその根源がある。
国際世論と専門家がウクライナ事態が発生した根本原因はNATO(北大西洋条約機構)の一方的な拡大と脅威によって欧州の勢力均衡が破壊され、ロシアの国家安全が深刻に脅かされていると評しているのは偶然ではない
自身の内政干渉は世界の平和と安定のための「正義」と美化粉飾しながらも他の国々が自分の安全を守るためにとる自衛的措置は「不正義」で「挑発」と一方的に追いやるのがまさに米国式傲慢性と二重基準だ。
現時代は、米国が独断で勝手気ままに振る舞っていた時代ではない。
米国は現時代の流れをしっかり見て、国際平和と安定を損なう強権と専横にしがみついてはならない。(国際政治研究学会研究員リ・ジソン)