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MK通信(82)  朝鮮半島の平和を脅かす戦争勢力は米国だ

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平和を脅かす原因

 米国や日本、韓国では、多くの国民が朝鮮半島の平和を脅かしているのは朝鮮の核抑止力であると信じ込まされていると推察される。

 朝鮮による核抑止力の開発は、長く見積もっても冷戦終結以後のことで30年に満たない。朝鮮の核抑止力開発が平和を脅かしているとするなら、それ以前は平和でなければならなかったはずだ。

 一歩間違えれば全面戦争が再燃する契機になったかもしれない「プエブロ号」事件が起きたのは今から50年以上も前の1968年だ。その後も板門店のポプラ事件、米軍武装ヘリが朝鮮の領空を侵犯して撃ち落された事件なども起きた。さらには1970年代に行われた世界最大級の米韓合同の核軍事演習「チームスピリット」は、朝鮮半島が平和だったから強行されたのか。

 朝鮮戦争以来、朝鮮半島は常に戦乱の黒い雲に覆われていた。約30年前の冷戦終結後から朝鮮半島に戦乱の雲が漂い始めたのではない。あまりにも明らかな事実で議論の余地さえないということをお分かりいただけたと思う。

 朝鮮半島が常に緊張状態に置かれているのは、朝鮮による核抑止力開発に原因があるのではなく、朝米による朝鮮戦争がいまだに続いているためだ。

 休戦協定は敵対状態の一時的な停止を合意したもので、戦争の公式な終結を合意する平和協定とは異なる。つまり、朝米間ではまだ戦争が続いているわけで、朝鮮半島が平和的であるはずがないのである。

平和協定を拒否する米国

 平和のためには戦争を終わらせることが優先課題であることは小学生でもわかることだ。

 朝鮮側は今まで戦火を交えた米国に重ねて平和協定の締結を提案、要求してきた。これに背を向け戦争を続けてきたのは米国である。この点も議論の余地はなく明白だ。

 米国が、平和を拒否したまま核の恫喝を繰り返し、朝鮮に非核化を要求しているのが現状だ。これは戦争中の相手に武装解除を要求する愚かな行為で、朝鮮側が聞き入れるはずもない。

 にもかかわらず米国は、朝鮮の核抑止力開発が平和を脅かしているかのようなプロパガンダを繰り返し、一方的非核化を叫び続けている。しかし、何千万回叫ぼうとも朝鮮が耳を傾けることはあるまい。

 自らが加える核の脅威は棚に上げて、朝鮮の核抑止力を平和への脅威であるかのごとく主張し、朝鮮を懸命に「悪魔化」しようとするプロパガンダの目的はどこにあるのか。このプロパガンダが朝鮮に響くはずもいなく、もっぱら米国と追従する下位同盟国用の政治宣伝で、自らの戦争政策、敵対政策を合理化する手段にみえる。

 このプロパガンダによって米、日、韓の国民は、朝鮮の核抑止力が平和への脅威であると信じ込まされている。一種の愚民化政策で、洗脳といっても言い過ぎではないようだ。

朝米関係における変化

 重ねて言うが、朝鮮と米国が激しい熱戦を演じた、朝鮮戦争を終わらせて、朝米休戦協定を平和協定に転換させなければ朝鮮半島の平和はない。

 新たに発足するとみられるバイデン政権は、このことを肝に銘じるべきだ。

 朝鮮の「国家核戦力の完成」によって朝米関係に根本的な変化が起こっている。

 熱戦は一時停止しているが、冷戦が続く朝米関係は、非核保有国対核保有国の関係から核保有国同士の関係に変わった。

 朝鮮の「国家核戦力の完成」は、ワシントンを打撃することが可能な「火星15」の試験発射成功をもって宣言された。朝鮮が中ロとともに、米国の首都に届くICBM保有した、世界に三加国しかない、戦略国家に浮上した瞬間だ。

 中ロのICBMは米国に対する潜在的脅威だが、朝鮮のICBMは直接的脅威だ。何度も言うが朝米間で戦争が続いているためだ。

 去る10月10日の閲兵式で、米国の専門家が「怪物」と評したICBMをはじめ新たな戦略兵器が公開された。

 米国の専門家は多弾頭兵器の可能性があると危機感をあらわにしているが、実際にその能力は朝鮮以外には誰も知りえない。はっきりしているのは「火星15」よりも威力的だということだけだ。

 多弾頭について述べるなら、朝鮮は2017年8月に日本列島を飛び越えた「火星12」ですでに実験済みだ。当時小野寺五典防衛相が記者団に、ミサイルが「三つに分離した」ことを自衛隊のレーダーが捉えたことを明らかにしたと毎日新聞(8.30)が報じた。70年前の古い技術を、朝鮮が取得したのか、どうかと論じること自体がナンセンスだ。

 去る11月16日、米ミサイル防衛局(MDA)は日米共同開発中のイージス弾道ミサイル防衛システム「SM-3ブロック2A」迎撃ミサイルによってICBMに相当する標的の撃墜に成功したと発表したが、虚勢を張るためのトリックに過ぎない。ある分析によると「何とか米国の威信を保つために稚拙な実験をしたのでは・・・つまり、予め標的の弾道と迎撃ミサイルの弾道を計算しておいて・・・」「北朝鮮ICBMを阻止する能力を米国が持つのは・・・随分と先になる」と指摘されている。(「あれ?米軍はICBMの迎撃実験に成功したって・・・?嘘くさいじゃん!」

非現実的な「北朝鮮の非核化」要求

 朝米間で戦争が続いている状態で、「北朝鮮の非核化」は非現実的な要求だ。朝鮮が米国を直接打撃することが可能な核兵器保有しておりなおさらだろう。

 戦争以上の敵対行為はない。平和を拒否し戦争を続けながら、朝鮮に「非核化」を要求するのは米国の傲慢さを示すものだ。

 朝鮮は、米国が敵対政策を撤回しないのなら「朝鮮半島の非核化は永遠にない」との姿勢を鮮明にしている。

 朝鮮半島の平和と非核化への現実的な道筋は、先平和交渉、後核軍縮交渉以外にない。

 米国の一方的な「非核化」要求と圧力は、朝鮮の核兵器の高度化と正比例する。(M.K)