朝鮮中央通信は28日、菅首相が靖国神社に真榊を奉納したことを契機に、軍国主義を復活させ、海外侵略の道に踏み出そうとする動きを非難する論評を発表した。
論評は、靖国神社参拝は「朝鮮民族とアシア諸国の人民に対する許しがたい愚弄であり、正面切っての挑戦」と指摘、安倍政権を受け継ぎ、憲法改悪と「敵基地攻撃能力」保有のための動きに拍車をかけている菅政権を厳しく非難した。
「愚かな軍国主義復活野望」と題した論評の全文は次の通り。
日本の反動層の軍国主義復活策動が、いっそう頭をもたげている。
先ごろ、首相に就任した菅が秋季例大祭を迎えて靖国神社に真榊(まさかき)を供物に奉納した事実がそれをよく物語っている。
これは、新しく発足した政府も以前の政権と同様、日本社会に国粋主義の毒素を深く浸透させるために手段と方法を選ばず、過去の犯罪歴史を賛美し、軍国主義の亡霊を復活させて海外侵略の道へ踏み出そうとする、島国の腹黒い下心は過去も現在も少しも変わっていないということを示している。
菅が権力の座に就くやいなや見せた極右的な色彩に合わせて、日本の政客らも次々と靖国神社に対する参拝と供物奉納で騒ぎ立てる一方、軍国主義を鼓吹する度を超える妄言をはばかることなく叫んでいる。
特に防衛相なる者は、靖国神社参拝は当然なことだという詭弁を並べ立てたし、超党派の議員連盟会長なる人物は神社参拝の後、記者団に「平和な日本と世界になるよう願いを込めてお参りした」語った。
過去、日本によって深く傷つけられた朝鮮民族とアシア諸国の人民に対する許しがたい愚弄であり、正面切っての挑戦だと言わざるを得ない。
20世紀に働いた希代の罪悪と、喫した敗北から羞恥を感じて当然な教訓をくみ取る代わりに、それに極度の復讐の念を抱いて歴史歪曲と軍事大国化をはじめ再侵略策動に狂奔する一方、特大型の反人倫犯罪を清算すべきだという国際社会の要求をうやむやにするためにあがいてきた日本である。
その罪悪に満ちた道で前代未聞の「治績」を積んだ以前の政権の後を現在の菅政府が受け継いでいる。
今、日本政府は以前の執権者である安倍から「本当に素晴らしいスタートを切った」という「賛辞」を受けて、海外侵略を実現するための法的・軍事的土台構築の最終完成を急ごうとしている。
自民党内に現行憲法を戦争憲法に改正するための草案作成委員会なるものを設けて、その本格的な稼働の下に年末まで改正原案を完成しようとしており、「敵基地攻撃能力」保有のための動きにも拍車をかけている。
今のこの時刻も、列島の各地と周辺海域、そして上空では離島防衛作戦と宇宙およびサイバー戦、電子戦などの対処方法を練磨するという美名の下、「自衛隊」武力の海外侵略熟達のための大規模な戦争演習騒動がヒステリックに強行されている。
このような日本が、いくら「世界の平和」を唱えて靖国神社参拝を正当化し、血なまぐさい過去史を粉飾しても、それにだまされる国はどこにもない。
軍国主義の亡霊を復活させて世界をまたもや侵略と殺りくの乱舞場にしようとする許しがたい行為は、むしろ、国際社会の糾弾と憎悪の念を増大させるだけである。
歳月がいくら流れ、世代が交代しても、朝鮮民族と人類は、過去、日本が働いた罪悪を絶対に忘れず、その代価を必ず充分に払わせるであろう。
日本の反動層は、このような世人の意志からはっきり認識し、無分別に行動してはならない。【朝鮮中央通信】