朝鮮の北辺に沿って流れるトゥマン(豆満)江河口と、朝鮮東海ラジン(羅津)湾とチョサン(造山)湾水域の広い地域を含むラソン(羅津・先鋒)の湿地は多様で豊かな生態系を持つ自然の宝庫である。
朝鮮の祖国平和統一委員会の情報サイト「わが民族同士」は8日、「多様な生態系を持っているラソン(羅津・先鋒)地区」とのタイトルで、渡り鳥の保護区になっているこの地区で棲息する鳥類などを紹介する写真を特集した。
この地域のマンポ湖、東ボンポ湖、西ボンポ湖と湿原、葦の茂み、河川とデルタなど多様な湿地類型でなるトゥマン(豆満)江河口の3200町歩に達する広い地域は、渡り鳥の重要な棲息地であることから、1995年にラソン渡り鳥湿地保護区に設定され、2018年には国際的に重要な湿地に関する条約であるラムサール条約対象地に登録された。
この地域で、2014年から2017年3月まで4回にかけて調査したNial Meeres氏は、全部で228種の鳥を観察し、「そのうち8種はラムサール条約で規定された国際的に重要な種で、12種は国際的な絶滅危惧種で、少なくても5種は朝鮮で以前には観測されなかったものと見られる鳥であった」と記録した。
Nial Meeres氏は、2017年4月に絶滅危惧種のダイシャクシギ(大杓鷸、学名 Numenius arquata)219羽を観測したのをはじめ、2016年7月にオカヨシガモ、2014年3月にコブハクチョウ(瘤白鳥)106羽を観察した。その大部分をマンポ湖で観察されたが、これは地域移動経路上の全コブハクチョウの7%と推定されるという。同時期に135羽のオシドリ(鴛鴦)も発見、この数は朝鮮にいる総数の4%に該当する。
一方、ラソン(羅津・先鋒)市ウアム(牛岩)里前の海にはオットセイ、アザラシが棲息しており、この一帯は、ウアムオットセイ保護区になっている。(了)