金正恩委員長の指導下で、朝鮮労働党中央軍事委員会第7期第5回拡大会議と党中央軍事委員会非公開会議が18日、ピョンヤンの党中央委員会本部庁舎で開かれた。
公開的な党中央軍事委に続き非公開会議が開かれたのは異例なこと。
公開会議では、▲党の思想と要求に即して人民軍の指揮官、政治活動家に対する党の教育と指導を強めるための問題▲新世代の人民軍指揮メンバーを朝鮮労働党の革命思想でいっそう徹底的に武装させることについて▲組織問題―が討議されたと伝えられる。
これに比べ、党中央軍事委非公開会議では、▲朝鮮半島の周辺に生じた軍事情勢と潜在的な軍事的脅威に備えるための重要部隊の戦略的任務と作戦動員態勢を点検し▲国の戦争抑止力をよりいっそう強化するための中核的問題を討議し▲中核的な重要軍需生産計画指標を審議、承認したーと報じられた。
【解説】対話ポーズの影で武力挑発の機会を伺う米国
「労働新聞」などの報道から明らかなのは、非公開会議は朝鮮半島に生じている軍事的脅威に対処するために開かれており、朝鮮の最高首脳と軍部の厳しい認識の表れであるとみられる。
今年になって朝鮮半島では、朝米対話へのアプローチが米国側から執拗になされる一方、最高指導者の「健康異常説」が流布されるなど、朝鮮の最高首脳に焦点を当てた米韓側の危険な挑発が続いている。
去る4月に「健康異常説」が流布される中で韓国の国防相は「現在は準戦時状態」と述べ「健康異常説」が軍事的緊張を伴ったものであることを隠そうとしなかった。また北と南の間で問題になり、北南共同連絡事務所の爆破を招いたビラ問題も露骨化する米韓の敵対行為が招いた結果であった。
朝鮮半島では、表に現れる対話をめぐる攻防の影で、軍事的緊張が激化してきたわけだ。
対話ポーズの影で武力挑発の機会を伺うことは米国がとってきた手法。「健康異常説」にみられるように、核武装している朝鮮に対する米国の軍事行動の主眼が「斬首作戦」に置かれていることは明らか。
「朝鮮半島に生じている軍事的脅威」の実態は、このような米国の危険で挑発的な軍事作戦に他ならない。非公開会議を開いたのは、コロナ禍に苦しみ、秋の大統領選挙でも民主党のリードを許しているトランプ政権の不確実な軍事的脅威に備える具体策を講じるためとみられる。
危機を戦争で打開するのは米国の常套手段で、トランプ政権を誘惑している。
朝鮮半島、イラン、ベネズエラ等は誘惑の焦点になりうる。(了)