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朝米首脳会談は朝鮮に「無益」、対話の枠組みを「敵対視撤回対朝米協商再開」に、金與正党第1副部長談話発表 

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  朝鮮労働党金與正党第1副部長は、3回目の朝米首脳会が米大統領選挙前にも可能であるかのような誤った信号が米国から発せられていることと関連して10日談話を発表した。
 金與正党第1副部長は談話で、朝米首脳会談を必要にしているのは米国で、朝鮮にとっては「非実利的で無益である」と言及し、首脳会開催の可能性を否定した。これによって執拗に流布された朝米首脳会談の可能性は疑問の余地なく消え去った。
 周知のように、米大統領選挙前の朝米首脳会談を突然持ち出したのは文在寅大統領。6月30日のことだが、文在寅大統領の発言に歩調を合わせるように、オブライエン米大統領補佐官も同日「北朝鮮が・・・持続的かつ実質的な交渉に復帰することを引き続き求める」と述べ、歩調を合わせた。
 突然の朝米首脳会談必要論は、トランプ政権下で駐韓大使の候補に上がった、戦略国際問題研究所CSIS)のビクター・チャ韓国部長が7月3日、「10月サプライズ説」を公言したことで現実的な可能性が取りざたされ、ビーガン国務副長官の訪韓トランプ大統領自身が7月7日、「役に立つなら3回目の朝米首脳会談を行う」と述べるに至った。その間崔善姫朝鮮外務省第1外務次官が談話をm発表して「米国と対坐する必要はない」と否定していた。
 にもかかわらず、朝米首脳会談開催の現実的可能性があるかのような雰囲気が米韓で作られたことと関連、金與正党第1副部長が談話を発表するに至った。
 金與正党第1副部長は談話で、「朝米間に深刻な対立を解消できない意見の差が存在する状態で、米国の決定的な立場の変化がない限り、今年中に、またこれから先にも朝米首脳会談は不必要であり、最小限われわれには無益だ」と指摘した。
 談話はまた、首脳会談を必要としているのは米国だと強調、狙いについて「自分たちにとって政治的災いになることが起きないように、われわれを抑え込んで足首をつかんで安全な時間を稼ぐこと」にあると指摘した。「政治的災い」とは、朝鮮が守る理由がなくなったと宣言しているICBMなどの、核抑止力の実験を指す。トランプ大統領が成果と誇ってきたことで、実験が再開されれば、選挙を控えている同大統領にとってまさしく大きな「政治的災い」となろう。
 また金與正党第1副部長は談話で、米国が「ハノイでのような協商の条件に回帰することを望」んでいるのではないかと指摘、「米国が今になってハノイ会談でテーブルに乗った一部制裁解除とわれわれの核開発の中枢神経である寧辺地区のような大規模核施設の永久廃棄をまた取引してみようとする愚かな夢を見ないことを望む」と強調した。
 第1副部長はハノイ以後「われわれは制裁の解除問題を米国との協商議題から完全に捨ててしまった」と述べ、「非核化措置対制裁解除」という過去の朝米協商の基本主題が、これからは「敵対視撤回対朝米協商再開」の枠組みに変わらなければならないと、主張した。
 大統領選挙前の朝米首脳会談開催可能性を否定しただけでなく、朝米対話が再開するには米国の敵対政策の撤回を主テーマに対話の枠組みを変える必要性を主張した金與正党第1副部長の談話は、朝米関係と交渉に置ける朝鮮側の基本的スタンスを示している。
 また談話には、「米国はわれわれの核を奪うことだけに頭を使うのではなく、われわれの核が自分たちに脅威にならないようにすることに、頭を回転させることが有益であろう」とするなど、米国の敵対政策に対する朝鮮側の立場が示されている。
以下に談話の全文を紹介する。
【談話全文】
 私は最近数日間、米国の人から連日発信されているわれわれと関連した奇怪な信号を報道を通して聴いている。
 時間の経過とともに、朝米首脳会談の可能性まで示唆した米国の人々の心理の変化をTV報道を通じて興味をもって視聴するのは朝食時間の暇つぶしにはなる。
 あくまでも私の個人の考えであるが多分朝米首脳会談のようなことが、今年は起こらないだろうと思う。
 しかし、断言できることではない。
 両首脳の判断と決心によって何が突然起こるか、誰も知らないからだ。
朝米首脳会談を受け入れない理由
 しかし、明らかなのは朝米首脳会談が誰かの言うように、必ず必要ならば米国側にとって必要なことであり、われわれにとっては全く非実利的で無益であるという事実をもって、そのような事件を占った方がいいだろう。
朝米首脳会談が行われるとしよう。米国はわが指導部との継続する対話だけで安堵感を持てるようになっており、また首脳間の親交関係を盾に担保される安全な時間を稼ぐことができるが、われわれは米国との協商で得られるどのような果実もなく、期待もしていない。
 私は、朝米間に深刻な対立を解消できない意見の差が存在する状態で、米国の決定的な立場の変化がない限り、今年中に、またこれから先にも朝米首脳会談は不必要であり、最小限われわれには無益だと考える。
 さらに今年中の朝米首脳会談はその可能性いかんを問わず、米国が強く望んでもわれわれが受け入れてはならないと考える。
 その理由を簡単に三つに整理すれば、第一に、首脳会談が米国にとって必要であって我々には無益で、第二に、新しい挑戦をする勇気もない米国の人々と向かい合っても、またわれわれの時間が取られるだけで、なんとか維持されてきた首脳間の特別な関係まで棄損される危険があるためで、第三に、ゴミのようなボルトンが予言したためで、絶対にそのようにしてあげる必要がないためだ。
 実際米国にとって今すぐ必要なのは首脳会談やその結果ではなく、われわれとの関係で首脳間の親交関係を全面に立てて、自分たちにとって政治的災いになることが起きないように、われわれを抑え込んで足首をつかんで安全な時間を稼ぐことに目的があるのであろう。
 そして今首脳会談を開けば、またそれが誰かの自慢のタネとして利用されるのは明らかだ。
 米国は大統領選挙前夜に、まだもらっていないクリスマスプレゼントを受け取ることにならないか、心配しているのであろう。
 私は、米国がそのような頭が痛いことに直面して困惑することになるのか、ならないのかということは、全的に自分たちの行動にかかっていると思う。
 時も考えずに退屈すると、あちこちで心がねじ曲がったような事を言いふらし、われわれに対する経済的圧迫と軍事的脅威など無駄なことにこだわるなら、何が起こるのか見てみよう。
 私はそのような事件の有無についてどのような情報も持っていないが、米国がわれわれに発信する、様々な、危険な圧迫性の言動を、わが指導部がいつまでも座視しないことは明らかだと考える。
 しかし現在のように、米国が極度に恐れることが起きていないことを見れば、推察するに、わが委員長同志と米国大統領間の特別な親交関係が大きく作用していると思う。
 このような時に、米国が不安で焦燥にかられ自分で安易にわれわれの重大な反応を誘発する危険な行動に走るなら、眠れる虎の尾を踏むことになり、結果が面白くないことになるのは明らかだ。
首脳会談のテーブルを叩く米国の狙い
 最近になって米国が、朝米間の実務協商のテーブルや首脳会談のテーブルを叩く、基本的目的を見抜かねばならない。
米国は対話の扉を開いておいて、われわれを抑え込みながら安全な時間を稼ぐことを願っている。
 そして米国は内心ハノイでのような協商の条件に回帰することを望むのではないかという考えに及ぶ。
 今になって振り返ってみれば、米国はその時、2019年初ハノイで部分的な制裁解除をする真似をして、いくらでもわれわれの核中枢を優先的に麻痺させておいて、われわれの展望的な核計画を混乱させうる可能性を持っていた。
 その時はわれわれが取引の条件に合致しないにもかかわらず、危険を犯しても制裁の鎖を断ち切り、一日でも早くわが人民の生活向上を計ってみようと、大きな冒険を試みた時期だったと言える。
 だが、2019年6月30日、板門店で朝米首脳会談が開かれたときわが委員長同志は、北朝鮮経済の明るい展望と経済的支援を説教し、前提条件として追加的な非核化措置を要求する米国大統領に、華麗な変身と急速な経済繁栄の夢のために、わが制度と人民の安全と未来を担保もない制裁解除などと決して取引しないということと、米国がわれわれに強要してきた苦痛が米国に反対する憎悪に変わり、われわれはその憎悪をもって米国が主導する執拗な制裁と封鎖に立ち向かい、われわ式に、われわれの力で前進していくということを明らかに闡明した。
 以後、われわれは制裁の解除問題を米国との協商議題から完全に捨ててしまった。
 私は「非核化措置対制裁解除」という過去の朝米協商の基本主題が、これからは「敵対視撤回対朝米協商再開」の枠組みに変わらなければならないと考える。
 制裁が加えられたからと言ってわれわれが生きられないわけでもないのに、何のために米国に引きずられるのか、ということだ。
 米国が今になってハノイ会談でテーブルに乗った一部制裁解除とわれわれの核開発の中枢神経である寧辺地区のような大規模核施設の永久廃棄をまた取引してみようとする愚かな夢を見ないことを望む。
 トランプ現米大統領に対するわが委員長同志の個人的感情は疑問の余地なく固く立派であるが、わが政府は現米国大統領との関係いかんによって対米戦術とわれわれの核計画を調整してはならない。
 われわれはトランプ大統領も相手にしなければならず、それ以後の米国政権、さらに米国全体を相手にしなければならない。
 ここ数日間、米国高位当局者たちの発言を見てみると、大統領との関係かかわりなくわれわれがこれからすべきことがわかる。
 米国務省が対話意思を披瀝したかと思えば、大統領まで出てきてわが指導部との良い関係を重ねて明かし、朝米首脳会談の可能性まで示唆しているのに、米国防長官なる人物は、またもやいわゆる「CVID」を云々し、わが国家に向かって「不良国家」という敵対的発言を隠していない。
 大統領とその下で食い違いを出すことが、意図的な凶計なのか、大統領の不確実な権力掌握力から生まれることかは評価したくない。
 とにかく朝米首脳間の関係が良いといっても、米国は、私たちを拒否して敵視することになっている。
 トランプ大統領との関係だけを考えて、私たちがしていてはならないミスは絶対にしてはならないということを警戒しなければならない時である。
挑発しなければすべてが平和に流れる
 最近、米国が対朝鮮制裁と関連した大統領行政命令を1年間延長するかと思えば、朝米関係改善に先立ち「人権問題」が「解決」されなければならないと騒ぎながら私たちの「人権実態」を云々しながら挑発し、わが国を「最悪の人身売買国家」に、「テロ支援国」に再指定するなど、われわれをことあるたびに狙い挑発しているが、これだけ見ても米国の対朝鮮敵視が決して撤回されることはないということがよくわかる。
 われわれに対する体質的な拒否感が「風土病」になってしまった米国が、今の大統領選挙の「危機」を越えたとしても、その後、われわれに向かって行う多くの敵対的な行動を予見しなければならず、われわれは、今の時点で現執権者との親交関係よりも、これからも絶えず続く米国の対朝鮮敵視に対処できるわれわれの対応能力の向上に、より多くの努力を傾ける時だと思う。
 われわれは米国からの長期的な脅威を管理して、そのような脅威を抑制し、その中で私たちの国益と自主権を守護する展望的な計画を策定しなければならず、実際的な能力を強固にして絶えず発展させていかなければならない。
 今、朝米間で非核化交渉を再開しようとする試みは、米国が困って持ち出した問題で、私たちが困って望む問題ではない。
 会談で何をどのようにより奪い取るとるのか、ということだけを考えている米国とは今すぐ向かい合う必要がなく、米国の重大な態度の変化を先にみて決心しても良い問題だと思う。
 米国はわれわれの核を奪うことだけに頭を使うのではなく、われわれの核が自分たちに脅威にならないようにすることに、頭を回転させることが有益であろう。
われわれは米国に脅威を加える意思は全くなく、これについては委員長同志もトランプ大統領に明確な立場を示したことがある。
 われわれを攻撃したり挑発しなければすべてが平和に流れるであろう。
 われわれは決して非核化しないとということではなく、今はできないということを明確にし、朝鮮半島の非核化を実現するには、われわれの行動と並行して他方の変化、即ち不可逆的な重大措置が同時に取られてこそ可能であるということを想起させる。
他方の多くの変化というとき、制裁解除を念頭に置いたものではないことを指摘しておく。
 私は本来、南朝鮮に向けてならともかく米国のに向けてはこのような文を書くことを望まなかった。
 最後に何日か前TV報道を通じて見た米国独立節記念行事に対する感想を伝えようと思う。
 可能ならこれから独立節記念行事を収録したDVDを個人的に必ず得ようとしていることに対して委員長同志の許諾を得た。
 委員長同志はトランプ大統領の事業で必ず良い成果があることを祈望する自身の挨拶を伝えるよう述べた。(翻訳、中見出しはコリアニュース.com編集部)