朝鮮民主主義人民共和国国防省のスポークスマンは10日、米国の挑発的な軍事行動を厳しく非難、警告する談話を発表した。
談話は、米戦略原潜の朝鮮半島への展開と関連、「米国が朝鮮半島地域に戦略核兵器を送り込もうと企図するのは、朝鮮民主主義人民共和国と周辺国家に対する最も露骨な核の恐喝であり、地域と世界の平和と安全に対する重大な脅威、挑戦である。諸般の事実は、朝鮮半島地域で誰が挑発して誰が自制し、誰が脅かして誰が脅かされるのかをいささかの疑問もなく最も明白に説明している」と指摘、「諸般の事実は、朝鮮半島地域で誰が挑発して誰が自制し、誰が脅かして誰が脅かされるのかをいささかの疑問もなく最も明白に説明している」と強調した。
また談話は、米国が連日繰り広げている敵対的な偵察活動を非難、その過程で米軍が朝鮮の領空を数十キロも侵犯する事件が発生したと指摘、「領空まで無断に侵犯してヒステリックに繰り広げている米国の挑発的な空中偵察行為は、必ず代償を払うことになるであろう。米空軍戦略偵察機が朝鮮東海上で撃墜される衝撃的な事件が起きないという保証は、どこにもない」と警告した。
以下に談話の全文を掲載する。
最近、米国防総省は戦略原子力潜水艦を朝鮮半島の作戦水域に進入させようとする企図を公式発表した。
核弾頭を搭載した米戦略原潜の朝鮮半島への展開は、1981年以降、初めて米国の戦略核兵器が朝鮮半島地域に現れることを意味する。
これは、地域での軍事的緊張を危険な状況へより一層格上げさせ、核の衝突危機という最悪の局面まで現実的に受け入れざるを得なくする非常に危険な事態の実状である。
現状況は、朝鮮半島地域情勢が米国の挑発的な軍事行動によって明らかに、核の衝突危機の入り口になお一層近く接近しているのを時間・空間的に証明している。
米国が朝鮮半島地域に戦略核兵器を送り込もうと企図するのは、朝鮮民主主義人民共和国と周辺国家に対する最も露骨な核の恐喝であり、地域と世界の平和と安全に対する重大な脅威、挑戦である。
諸般の事実は、朝鮮半島地域で誰が挑発して誰が自制し、誰が脅かして誰が脅かされるのかをいささかの疑問もなく最も明白に説明している。
朝鮮半島での軍事的激突状態が最悪の危機に迫ったこんにち、その責任が誰にあるのかをもう一度はっきりさせておく必要がある。
朝鮮半島地域で誰も願わない最悪の状況が醸成されるかいなかは米国の今後の行動いかんにかかっており、この先いかなる突発的な事態が発生する場合、その責任は全的に米国が負うことになるであろう。
われわれは、米国が今回のような無分別な行為を容易に働かないようにするためにも、われわれの対応がどんなものかを最も明白な方式で見せなければならない。
米国の戦略資産展開のような示威性行動は、絶対に安保増進へつながらないし、むしろ自分ら自らが願わないより一層苦しくて不安な安保危機を増大させる悪材料になるであろう。
米国が朝鮮民主主義人民共和国の主権を侵害する軍事偵察行為になお一層熱を上げているのも、看過できない。
最近になって、米国はアジア太平洋作戦地域に展開された各種の空中偵察手段を集中動員して、朝鮮半島とその周辺地域で敵対的な偵察活動を類例のない水準で繰り広げている。
今月だけでも、去る2日から9日まで連続8日間にわたって米空軍所属戦略偵察機であるRC135とU2S、無人偵察機RQ4Bが代わる代わる朝鮮東海と西海の上空を飛行してわれわれの戦略的縦深地域に対する挑発的な空中偵察行為を繰り広げたのが、最近の実例である。
特に、朝鮮東海では数回も米空軍戦略偵察機が朝鮮民主主義人民共和国の主権が行使される領空を数十キロも侵犯する事件が発生した。
今年に入って、米国は戦略偵察機と電子偵察機をはじめ、空軍と海軍の各種空中偵察手段を朝鮮東海と西海、軍事境界線一帯の上空に次々と投入したし、高空戦略偵察機と無人偵察機を軍事境界線に近い所へ北上させて飛行させるなど、挑発的な情報収集に狂奔している。
核戦略爆撃機B52Hを動員した連合空中訓練を次々と繰り広げ、核兵器を搭載した戦略原潜の南朝鮮への寄港を唱えるのとタイミングを合わせて空中偵察資産を朝鮮半島に集中させている米国の企図は、あまりにも明白である。
常時、軍事的衝突の可能性が存在し、核戦争勃発(ぼっぱつ)の暗雲が一層濃く徘徊する朝鮮半島に空中偵察資産を大々的に送り込んで偵察活動を戦時水準以上に露骨にするのは、われわれの主権に対する明白な威嚇であり、地域情勢を取り返しのつかない破局的な状況へ追い込む重大な挑発行為である。
われわれは、米国がなぜわが国家を脅かす無分別な軍事行動をこのようにこれ見よがしに行っているのか、その底意を分析しており、挑発的な活動をもれなく注視している。
今、われわれが最大の忍耐と自制力を発揮しているが、全てのものには限界があるものであり、今がまさに米国が憂慮すべき臨界点に近接した時期である。
米国は、1969年にEC121大型偵察機が、1994年に軍事境界線のわが方地域に侵入した米偵察ヘリがどんな悲劇的運命を迎えたのか、そして2003年3月に戦略偵察機RC135がどんな危険な状況に遭遇したのかを再び振り返る必要がある。
膨大な武力が対峙しており、核対核が立ち向かっている朝鮮半島で敵対国の偵察機が交戦一方の領空に近寄るほど、どんな危険が後を追ってくるかはあまりにも明白である。
領空まで無断に侵犯してヒステリックに繰り広げている米国の挑発的な空中偵察行為は、必ず代償を払うことになるであろう。
米空軍戦略偵察機が朝鮮東海上で撃墜される衝撃的な事件が起きないという保証は、どこにもない。
日ごとに深刻になる米国の憂慮すべき相異なる軍事活動とより一層過熱する地域の安保環境は確かに、何らかの激突を予告している。
米国の挑発的な全ての行動は、直ちに中止されなければならない。
われわれは、日ごとに増大する米国の危険極まりない挑発的な全ての軍事行動に厳重な警告を送る。(了)