金正恩総書記は昨年12月27日から31日まで行われた朝鮮労働党中央委員会第8期第4回総会で、歴史的な報告「朝鮮式社会主義農村発展の偉大な新時代を開いていこう」を行った。
「労働新聞」は1日付で総会の詳報を伝えたが、以下は金正恩総書記の歴史的な報告「朝鮮式社会主義農村発展の偉大な新時代を開いていこう」の部分。(中見出しとゴシックは編集部)
金正恩総書記は、党創立の初期から農村問題を重視してきたわが党の政策とその実現のための歴史的道程について概括し、現時期、社会主義農村問題の正しい解決が持つ重要性と意義を明らかにした。
社会主義の全面的発展のための闘いが成熟した要求として提起されたこんにち、農村を革命的に改変させることは厳しい難局を主体的力の強化局面に反転させ、国家の繁栄・発展と人民の福祉増進を成し遂げていく上で重大な革命課題として提起されている。
このことから、第8回党大会は農業勤労者を政策的に武装させ、農村を近代的技術と現代文明を兼備した裕福で文化的な社会主義農村に転変させるという戦略的方針を示した。
金正恩総書記は、「社会主義農村建設の新しい勝利を目指して!」というスローガンを高く掲げて農村振興を強力に促して国の農業を確固たる上昇段階に押し上げ、朝鮮式社会主義農村の飛躍的発展を成し遂げる偉大な新時代を切り開かなければならないと述べ、社会主義農村建設の目標と当面の中心課題について宣明した。
わが党の社会主義農村建設の目標は、全国の農村をチュチェ思想化し、物質的に裕福につくることであると述べ、農業勤労者の思想意識水準の向上、農業生産力の飛躍的発展、農村生活環境の根本的な改変が朝鮮式農村発展において達成すべき目標であると語った。
報告は、社会主義農村建設の目標を達成するための活動は壮大かつ深刻な革命であり、長期性と多面性を帯びる農村問題を成功裏に解決するためには科学的な段階と目標を設定し、年次別計画に従って目的指向的な闘いを展開すべきであるということについて指摘し、今後、わが党と国家が堅持すべき中長期的な農村発展戦略を示した。
農村発展戦略の中心課題
当面の農村発展戦略の中心課題は、全ての農業勤労者を労働党時代にふさわしい革命的な農業勤労者に改造し、国の食糧問題を完全に解決し、農村住民の生活環境を画期的に改変させるための闘いを力強く展開して農村を持続的な発展軌道の上に確固と押し上げることである。
金正恩総書記は、農業勤労者を農村革命の担当者、主人につくるのは社会主義農村建設において提起される最も主たる課題であり、その勝利のためのかなめの要因であると述べ、農業勤労者の思想を改造し、政治意識を高めることに優先的な力を入れて農業勤労者のみんなを党の社会主義農村建設構想を忠実に支える農村革命家にしっかり準備させることが何よりも重要であると強調した。
農業生産を増大させて国の食糧問題を完全に解決することを農村発展戦略の基本課題に規定し、今後の10年間に段階的に達成すべき穀物生産目標と畜産物、果物、野菜、工芸作物、養蚕業生産の目標を明らかにした。
報告は、農村発展戦略において特別に重視すべき課題として全国の農村を新しく変貌(へんぼう)させるための闘いを力強く展開することについて提起した。
国の全ての農村を社会主義にふさわしく当該地域の特性がはっきり生かされるように建設するのは農村住民に世にうらやむことのない立派な生活環境を提供し、国家の全般的発展を成し遂げるために党が最も重視し、必ず実現しようとする戦略的な重大計画である。
この計画の成功裏の実行のための保証は、国家の力強い支援と強力な国家的指導システムの稼働、地方建設の主人である市、郡の役割の向上である。
金正恩総書記は、われわれは信念と楽観を持って農村革命を力強く促してわれわれの全ての農村を堂々と自慢することのできる社会主義楽園に立派に転変させ、人民の世紀的宿望と理想を早めて実現しなければならないと述べ、そのための具体的な課題と方途を宣明した。
最も重要な課題
農村で思想、技術、文化の3大革命を力強く促すのは社会主義農村問題の解決において提起される最も重要な課題である。
農村で3大革命を力強く繰り広げてこそ、農業勤労者を政治的・思想的面においても技術知識と文化生活面において根本的に開明させられるというのは、わが国の社会主義農村建設の歴史と現在の実態がよく示している。
報告は、思想革命を力強く繰り広げることを農村の3大革命の遂行において優先的な課題として提起した。
農村で思想革命の目的は、農業勤労者の頭の中に残っている古い思想を根絶し、農業勤労者を革命化、チュチェ思想化された共産主義的人間に育成し、われわれの革命力量を政治的・思想的に打ち固めて社会主義建設を強力に推し進めるところにある。
ここで重要なことは、農業勤労者を党の革命思想と政策、革命の各年代に輩出した農民英雄、愛国農民の闘争精神でしっかり武装させ、彼らの中に党と国家、制度の偉大さとありがたさを体得させ、集団主義が思想意識と生活を支配するようにするとともに、労働に誠実であり、高い階級的意識を身に付けるように教育するのに注目を払うことである。
報告は、農村で技術革命を力強く繰り広げて農業勤労者を知識型の勤労者につくることについて指摘した。
農業勤労者が政治的・思想的に、文化的に準備されるばかりか、高い科学技術を身につけてこそ社会主義農村の主人としての役割を果たすことができ、新時代の農村振興を速めることができる。
報告は、そのために全人民科学技術人材化の要求に即して農業勤労者の見聞を広めてやり、技術・技能水準を高めるための農業科学技術学習と先進営農技術普及活動を活発に展開し、農村に大学卒業生を多く配置し、彼らの中核的役割に頼って農場の技術力をさらに増大させ、農村で科学技術を遠ざけて古い経験に執着する傾向を徹底的に克服することについて指摘した。
報告は、農村文化革命の遂行に根本的な改善をもたらすためには農業勤労者の文化意識水準を高め、農村に革命的かつ健全で文化的な生活気風を確立すべきであると強調した。
農業勤労者が故郷と村をこぎれいに整えるとともに、大衆文化芸術活動と大衆スポーツ活動も活発に繰り広げ、気高くて健全な道徳気風を確立して農村に笑いとロマン、睦まじい情が満ち溢れるようにすべきである。
国家的に農村の教育と医療サービス水準の向上に力を入れ、首都の文化、労働者階級の文化、時代のモデル文化を地方と農村に絶えず伝播、拡大して農村文化革命を促すべきである。
農業生産を持続的な成長
金正恩総書記は歴史的な報告で、国の農業生産を持続的に成長させることを農村問題の解決において現時期、切実に提起される重要な課題に示した。
報告は、人民が最も解決を待っているこの切実な課題を成功裏に遂行する上で科学農業第一主義を一貫して掲げていくことについて指摘した。
科学技術を農業発展の主たる原動力にして国の農業を先進的な農業に転換させ、農業生産の安定的かつ持続的な成長を成し遂げようというのが、わが党の戦略的な発展観である。
それを実現するためには、種子革命を強力に推し進め、災害性異常気象に対処できる科学的な農業システムと方法を確立し、農業気象予報の迅速性と科学性、正確性を保障すべきである。
現時期、農業生産を発展させる上で党が重視するのは国の穀物生産構造を変え、稲と小麦の栽培を強く推し進めることである。
金正恩総書記は報告で、わが人民の世紀的な宿望を近い将来に必ず実現するというわが党の決心と意志を再び表明し、わが人民の食生活文化を白米のご飯と小麦粉食品を主にして変える方向へ国の農業生産を志向させるための方途的問題を明らかにした。
農業部門では、国家的な稲と小麦の所要量を満たせるように必要な栽培面積を確保することを計画的に推し進め、先進的な栽培方法を導入し、営農作業に機械手段を積極的に取り入れ、乾燥施設を設けるとともに、小麦の加工能力を大幅に増やさなければならない。
差し当たり、各農場で小麦栽培の経験を積むための活動を細密に企画し、国家的に多収穫種子と必要な営農物資を保障するシステムを着実に立てなければならない。
報告は、全国的に大豆栽培、ジャガイモ栽培の熱風を再び高調させることについて強調した。
そして、低収穫地を改良して沃土に転変させるための闘いを中断することなく力強く展開し、平野地帯や中間地帯、山間地帯を問わず、全般的な農場でヘクタール当たりの収量を高めるための課題を提示した。
報告は、畜産と果樹、野菜と工芸作物の栽培を増やすことを人民の生活を潤いのあるものにするための重要な課題に言及した。
現存の畜産拠点を近代的に改修し、畜産の発展に有利な郡を畜産郡に転換させて肉と卵、乳の生産量を大幅に成長させるとともに、優良な果物品種を広く繁殖させ、先進的な栽培技術を確立して子どもと人民に四季にわたって新鮮な果物といろいろな果物加工品が行き渡るようにすべきである。
野菜畑灌水システムを還元、復旧し、近代的な大規模野菜温室農場を各所に建設し、キノコ栽培拠点を活性化して人民の食卓を豊かにし、工芸作物の栽培にも力を入れて糖の原料と油の原料をはじめとする軽工業原料問題を円滑に解決すべきである。
農業生産の科学化、情報化、集約化
報告では、農業部門の科学技術力を強化するための課題が重要に言及された。
世界の農業発展趨勢(すうせい)に合わせて農業生産の科学化、情報化、集約化を実現する上で農業科学研究機関と農業部門の大学が役割を果たす問題、生産性を向上させるだけでなく農場員の骨の折れる労働を減らし、機械化の実現に有利な営農技術と方法を研究する問題、全ての農業科学研究拠点を先端化し、優れた農業技術人材を大々的に養成する問題、農場、作業班、農場員に至るまで先進的な農業科学技術と営農方法が適時に普及されるようにする問題が具体的に明示された。
報告は、社会主義社会で農業生産の持続的発展を遂げる上で指導と管理を改善することが持つ重要性と原則的要求を強調し、国の農業生産の全般に対する統一的かつ計画的で科学技術的な指導を強め、郡協同農場経営委員会を主とする朝鮮式農業指導体系の優越性を発揚させる上で提起される現実的な方途を明示した。
これとともに、農業幹部と農村初級活動家の水準と能力を高め、農業部門の根深いほらをなくすことについて指摘した。
国家的投資の増大
金正恩総書記は歴史的な報告で、農業に対する国家的投資を増やして農業経営の物質的・技術的土台を画期的に強化するための革命的な方針と対策を明らかにした。
金正恩総書記は、環境と条件にこだわらず農業部門に対する国家的投資を目的指向性あるものに増大させなければならないと述べ、内閣をはじめ国家経済機関と関連単位が農業部門に対する投資分を系統的に増やし、設備と資材、資金を計画通りに無条件に保障する強い制度と秩序を確立すべきであると強調した。
報告では、農業経営の水利化、機械化、化学化、電化の実現のための国家的な投資状況が詳細に分析され、根本的な解決方途が具体的に言及された。
いかなる干ばつと洪水にも微動だにせず農業を安全に営めるように国の潅漑システムを全般的に整備、補強してより完成し、農村に窒素肥料と燐酸肥料、カリ肥料をはじめ農作物の生育に必要な各種の肥料と効能の高い農薬を十分に供給し、近代的な電力設備と電気機械をより多く送って農村の生産活動と文化生活の条件を改善し、向上させ、新しい土地開墾と干拓地の開墾に国家的な力を集中して耕地面積を引き続き増やさなければならない。
金正恩総書記は、全国の農村をわれわれが作った近代的な農業機械で覆い、農業勤労者が機械で農業を楽しく営む社会主義農村の新しい風景を広げるというのが党の構想であり、決心であると述べ、これを早めるために現存の農業機械工場の実態に対する全面的な分析に基づいてこの問題を深く研究したと語った。
党中央の構想は金星トラクター工場を馬力の高いトラクターと共にさまざまな能率の高い農業機械を生産することのできる総合的な工場に発展させるとともに、主要農業機械工場と農業機械研究部門に投資を集中して国の農業機械工業を完全に一新させることであると言明し、その実現のための特別重大措置を取った。
金正恩総書記は、国の最大の農業道である黄海南道を重視すべきであると述べ、5カ年計画の期間に党と国家が黄海南道に力を集中して国の農業生産において旗印を掲げていくようにすることについて重要に強調した。
これとともに、国家的に田植えと草取り、秋の取り入れをはじめ主要営農時期に力量と手段を機動性あるものに動員することを定例化、義務化し、農業勤労者の生活を支援し、生産熱意ももり立ててやるように軽工業部門と商業部門など当該の部門が各種の生活用品を日常的に多く供給するための課題を提示した。
金正恩総書記は、困難な状況で経営活動を行っている協同農場の全般的な財政実態を詳細に分析し、われわれの農村が独り立ちするようにし、農場の経済的土台を補強してやるための重要な対策の一環として協同農場が国家から貸付金をもらって償還できなかった資金を全て免除する特恵の措置を宣布した。
農村を三池淵市の農村の水準
金正恩総書記は報告で、農村の面貌と環境を画期的に改変させることを社会主義農村建設における最も重大な課題に提示した。
近い将来に全国の全ての農村を三池淵市の農村の水準に、裕福で文化的な社会主義理想村につくろうというのが、わが党の農村建設政策である。
この構想と政策を実現するのは全人民が望み、歓呼する人民的な事業であり、われわれの時代の新しい社会主義農村文明、地方が変わる新世界を開く政治的事業であり、社会の進歩と繁栄のための事業であり、わが共和国の全般的発展を成し遂げる歴史的な事業である。
金正恩総書記は、三池淵市の建設で蓄積した優れた経験を積極的に奨励し、拡大して全国の全ての農村の生活文化環境を変貌させ、その過程を通じて文化的な全社会の建設を進めなければならないと述べ、全ての市、郡に農村建設に必要なセメントを優先的に前もって供給することと、設計陣と建設陣を強化し、必要な建設装備を備える課題、農村建設で住宅の建設を優先的に推し進める課題、農村建設を党と国家が指揮する強力な指導システムを確立する課題、主要資材と仕上げの建材を国家的に保障し、地方にも建材生産拠点を設ける課題を具体的に提示した。
金正恩総書記は、地方の建設に関する党の建築美学思想を堅持して農村建設において独創性と現代性、文化性、政治性を保障することについて特別に強調した。
国の経済活動がまだ困難な条件の下で行われ、社会主義建設の膨大な闘争課題が提起されている時に、全国の農村を飛躍的に振興させるために取られた重大措置は、党と国家の革命的な農村建設政策の発現であると同時に、数百万の農業勤労者に施される大いなる恩恵、配慮となる。
歴史的な報告では、社会主義農村建設に対する党の指導を強めることが重要な課題に提起された。
農村の里党組織と道・市・郡党委員会が党の農村建設政策、地方建設政策に徹底的に準じて農村発展、地域発展を促進するための作戦と設計を正しくし、活動家と党員と勤労者をその実行へ力強く奮い立たせなければならない。
特に、里党委員会が党の基本戦闘部隊、気迫あって戦闘力のある集団になって社会主義農村建設政策を党が正しく指導して牽引し、里党書記の水準と役割を強めなければならない。
報告は、全党的に社会主義農村建設政策の実行状況を定期的に総括し、対策を立てるシステムを確立して農村建設綱領が毎年、偉大な変革的実体に転換されていくようにすべきであると強調した。
金正恩総書記は、党の正確な指導があり、最も正しい農村建設綱領があり、党員と勤労者の忠実性と愛国的情熱がある限り、国の農業を持続的な発展の軌道に確固と押し上げ、農村の大変革をもたらすための歴史的な事業で必ず勝利が収められるとの確信を表明した。
新世紀の社会主義農村問題解決のすばらしい展望と青写真を示した金正恩総書記の報告は、わが国の社会主義農村発展の新時代を告げる偉大な闘争綱領であり、われわれの力、われわれの知恵、われわれの奮闘によって社会主義楽園をこれ見よがしに建設するという朝鮮労働党の強烈な意志と決心の表出である。
新しい社会主義農村建設綱領は、偉大な社会主義農村テーゼの深化、発展として、農村革命の炎を強く燃え上がらせて社会主義の全面的繁栄を促し、わが人民の世紀的宿望を一日も早く実現する上で重大な変革的意義を持つ記念碑的文献となる。
総会は、金正恩総書記の綱領的な結語と歴史的な報告の思想と精神に立脚して、来年の闘争課題と新しい農村建設綱領の実行のための活動計画を細部的に立てる分科別研究および協議会を3日間行った。
総会は、決定書の草案作成グループがまとめた意見を最終審議し、決定書「第8回党大会が示した5カ年計画の2022年度課題を貫徹するために」と「朝鮮式社会主義農村建設の偉大な闘争綱領を貫徹するために」を全会一致で採択した。(了)