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【資料】米国・南朝鮮合同軍事演習は朝鮮半島と地域の平和と安定を害する癌的要因 国際政治研究学会の研究報告書

 朝鮮の国際政治研究学会は4日、「米国・南朝鮮合同軍事演習は朝鮮半島と地域の平和と安定を害する癌的要因」と題した研究報告書を発表した。

朝鮮中央通信が伝えた。

 朝鮮半島ユーラシア大陸と大洋をつなぐ極東の要衝に位置する。米国が第二次世界大戦直後に朝鮮半島の南半分を軍事占領し傀儡政権をでっち上げ、1950年には全朝鮮半島を大陸侵略の橋頭堡にすることを目的に朝鮮戦争を挑発した。

米国は戦争での敗北にもかかわらず、平和を拒み休戦を維持したまま大規模な合同軍事演習を70年間に渡り繰り返してきた。核戦略手段を総動員した演習の内容と規模は世界最大の演習で常に一触即発の危機を演出してきた。

研究報告はその実態と危険性を赤裸々に暴露した。

以下に全文を紹介する。

わが共和国に対する米国の変わらない敵視政策と増大する軍事的威嚇策動によって、朝鮮半島には核戦争の暗雲が恒常的に漂っている。

 世紀と世代をつないで続いている朝米対決史のどの節目にも、米国の侵略的本性と対朝鮮孤立・圧殺策動が歴々と記されているが、米国が現在のようにその規模と性格、方法において前例のない敵対行為と核威嚇・恐喝をこととした時はかつてなかった。

 米国は、われわれの思想と体制を力で圧殺することを対朝鮮政策の基本手段と定めてわれわれを狙った核戦争計画を絶えず更新しており、各種の合同軍事演習を通じてこれを熟練、完成しながら朝鮮半島情勢を戦争の瀬戸際へ追い込んでいる。

 われわれはすでに、米国が南朝鮮かいらいと結託して繰り広げている合同軍事演習が対朝鮮敵視政策の集中的な発露であり、朝鮮半島と地域の平和と安定に対する重大な脅威になるということについて一再ならず警告した。

 にもかかわらず、米国は今年に合同軍事演習を過去の範囲と規模をはるかに超越した実際の戦争演習として強行しながら、われわれに対する敵対行為を露骨に働いている。

 朝鮮民主主義人民共和国国際政治研究学会は、米国が南朝鮮かいらいと行った合同軍事演習の重大さと危険性を明らかにし、緊張激化の悪循環と核戦争の実際の危険をもたらす挑発者、平和の破壊者が誰なのかを内外にいま一度はっきり暴くために、この研究報告書を発表する。

 .地球上で最も長く続けられている侵略戦争演習

 朝鮮半島でのように、長期間にわたって持続的に繰り広げられる合同軍事演習は、地球上のどこにもない。

 古今東西にその類のないヒステリックな米国・南朝鮮合同軍事演習は、朝鮮停戦協定が締結された以降からこんにちまでほぼ70年間、中断することなく続けられている。

 米国は、朝鮮停戦協定が締結された翌年である1954年に「フォーカス・レンズ」という合同軍事演習を行うことで、侵略戦争演習の第一歩を踏み出した。

 このようにスタートを切った合同軍事演習は1976年から「ウルチ・フォーカス・レンズ」合同軍事演習に、2008年からは「ウルチ・フリーダム・ガーディアン」合同軍事演習に看板を変えながらその範囲と規模が拡大したし、今年は「ウルチ・フリーダム・シールド」という名称で衣替えをした。

 1969年に始まった「フォーカス・レティナ」合同軍事演習は1971年に「フリーダム・ボルト」に、1976年からは「チーム・スピリット」に変身して1993年まで続けられた。

 米国は、冷戦が終息した後、世界の他の地域では軍事演習の規模と範囲を減らしながらも、朝鮮半島だけでは冷戦時代より好戦性と侵略性がいっそう露骨になった核戦争演習を行った。

 米国は、「チーム・スピリット」合同軍事演習が内外の強い抗議と糾弾を受けるようになると、1993年にそれを中断すると発表したが、1994年から「連合戦時増援演習」に名称だけを変えて以前の時期よりさらに危険なものに強行した。

 米国は、2000年からわが共和国を狙った戦争演習を系統的に増やしたし、特に2001年の一年間だけでも南朝鮮かいらいと行った戦争演習の回数は公式に発表されたものだけでも、その前年に比べておおよそ2倍以上に及んだ。

 米国は、2002年から「連合戦時増援演習」と「フォール・イーグル」合同軍事演習を一つに統合して実施したし、2008年から「連合戦時増援演習」と「フォール・イーグル」合同軍事演習を「キー・リゾルブ」「フォール・イーグル」に名称を変えてエスカレートさせた。

 米国はまた、南朝鮮かいらい軍と共に「マックス・サンダー」連合空中戦闘訓練、連合対潜水艦訓練、連合海上訓練、連合上陸訓練、統合火力訓練など、各種の合同軍事演習を次々と繰り広げながら、地上と空中、海上と水中でわれわれを侵略するための戦争演習を実戦の雰囲気の中で行った。

 米国と南朝鮮かいらいが1954年から2013年まで強行した各種の合同軍事演習は公開されたものだけでも、おおよそ1万8000余回に及ぶ。

 米国は、2016年の「ウルチ・フリーダム・ガーディアン」合同軍事演習の時にはB1B、B52H、B2A戦略爆撃機オハイオ級原子力潜水艦原子力空母打撃団など、核戦略資産を総動員してわれわれに対する核打撃訓練を行った。

 2017年にも米国は、グアムのアンダーセン空軍基地に配備された核戦略爆撃機編隊を駆り出してわれわれの戦略的対象を狙った実戦核打撃訓練を公然と強行したし、数十万人の米軍とカール・ビンソン原子力空母打撃団、戦略爆撃機B1B、原子力潜水艦コロンブスとミシガン、ステルス戦闘機F35Bをはじめとするまる一つの戦争を行っても余る膨大な核戦略資産と米軍特殊武力まで動員して「キー・リゾルブ」「フォール・イーグル」合同軍事演習を行った。

 同年11月、米国はセオドア・ルーズベルトニミッツロナルド・レーガン米原子力空母3隻を朝鮮東海に同時に進入させて南朝鮮かいらい海軍と連合海上合同軍事演習を行ったし、12月には230余機の戦闘機と1万2000人余りの米軍兵力を動員して南朝鮮かいらいと共に「ビジラント・エース」連合空中訓練を行った。

 朝鮮半島で関係改善と緊張緩和の雰囲気が生じていた近年も、米国・南朝鮮合同軍事演習は中断することなく続けられた。

 米国は、合同軍事演習中止公約に公然と違反し、朝米共同声明と板門店宣言が採択された2018年に「マックス・サンダー」連合空中戦闘訓練をはじめとする戦争演習をはばかることなく行ったのに続けて、その翌年である2019年には「同盟19-1」合同軍事演習(3月)、米海兵隊南朝鮮かいらい海兵隊、特殊作戦部隊との連合特殊作戦訓練(3月)、われわれの核施設を目標とした合同浸透訓練(6月)、「サイレント・シャーク」合同潜水艦演習(7月)、「連合指揮所訓練」(8月)など、自分らが直接確認したものだけでもおおよそ100回以上の合同軍事演習を次々と行った。

 はては、米国は全世界が大流行伝染病によって史上最悪の困難を経ていた2020年と2021年にも、内外の一様な抗議と糾弾にもかかわらず、合同軍事演習をあくまで強行した。

 米国は、今年に入っても南朝鮮かいらいと共に去る4月に「連合指揮所訓練」をまたもや行ったし、南朝鮮で「政権」が交代するやいなや、南朝鮮かいらい軍との合同軍事演習をいつよりもヒステリックに繰り広げた。

 今年の5月、南朝鮮を訪問した米国執権者が南朝鮮かいらいに対する拡張抑止力の提供と合同軍事演習の規模と範囲を拡大する問題から論議し、電撃合意したのは、米国がわれわれに反対する合同軍事演習にどんなに執着しているのかを実証している。

 今年の5月から7月まで行われた合同軍事演習だけを見ても、米国は南朝鮮かいらいと共に去る5月9日から2週間に合同空中訓練を、5月11~12日に連合医務支援野外機動訓練を、6月2~4日に沖縄付近の海上米原子力空母ロナルド・レーガンと誘導ミサイル巡洋艦南朝鮮かいらい海軍の駆逐艦、上陸艦が参加した海上合同軍事演習を、6月7日に朝鮮西海上空で南朝鮮占領米空軍戦闘機F16の4機と南朝鮮かいらい空軍のF35A、F15K、KF16戦闘機16機が動員された連合空中訓練を、6月14日~7月9日に米国のカリフォルニア州で米陸軍特殊部隊の5000人余りと南朝鮮かいらい陸軍特殊戦司令部所属の兵力100人が参加した連合特殊戦訓練などを次々と行った。

 わずか2カ月もならない間に、地上と空中、海上で米国・南朝鮮合同軍事演習が今回のようにヒステリックに行われたのはまれなことである。

 米国執権者の南朝鮮訪問が終わるやいなや、米原子力空母を含む戦略資産が待っていたかのように朝鮮半島と周辺にどっと入り込んで南朝鮮かいらい軍と合同軍事演習をヒステリックに行っているのは、朝鮮半島で核戦争が起こりうる可能性が未来型ではなく現在型になっていることを実証している。

 諸般の事実資料は、米国・南朝鮮合同軍事演習こそ、その侵略性と危険性、持続性において地球上で前例のない最も暴悪な戦争演習であることを遺憾なく示している。

  2.朝鮮半島の平和と安定を破壊する危険な火遊び

 米国・南朝鮮合同軍事演習は、朝鮮半島情勢を恒常的な不安定と危機一髪の核戦争の瀬戸際へ追い込んでいる主な因子である。

 米国は、1950年代と1960年代の「フォーカス・レンズ」「フォーカス・レティナ」合同軍事演習を行いながら、「オネスト・ジョン」戦術核ミサイル、280ミリ原子砲をはじめとする核兵器を投入したし、1970年代に始まった「チーム・スピリット」合同軍事演習と「ウルチ・フォーカス・レンズ」合同軍事演習にはB1B戦略爆撃機原子力潜水艦を動員し、原子砲訓練、「ランス」核ミサイル発射演習を強行した。

 米国は、1968年の武装情報収集艦「プエブロ」号事件と1969年のEC121大型偵察機事件の際には、朝鮮半島とその周辺に膨大な核戦争装備と侵略武力を集結させて「報復」や「全面戦争」を言い立て、情勢を一触即発の戦争の瀬戸際へ追い込んだ。

 特に、1970年代から1990年代の初めまで、毎年数十万人の兵力と原子力空母を含む各種の核戦争装備が動員されておおよそ2~3カ月間行われた「チーム・スピリット」合同軍事演習は、朝鮮半島情勢を核戦争の入り口へ追い込んだことによって、歴史に消しがたい悪名をとどろかせた。

 米国が2002年に、わが共和国を最優先的な核先制攻撃の対象に指定した「核態勢の見直し(NPR)」なるものを発表し、2005年にはこれを実行するための「合同核作戦教理」までつくり上げて核先制攻撃訓練を繰り広げたのは、周知の事実である。

 この時期に繰り広げられた「キー・リゾルブ」「フォール・イーグル」合同軍事演習、「ウルチ・フリーダム・ガーディアン」合同軍事演習は、われわれを先制攻撃するための戦争シナリオである「作戦計画5027」「作戦計画5015」に従って全ての戦争装備と能力、人力が総動員された危険極まりない核戦争演習であった。

 「作戦計画5027」は、1994年に朝鮮半島の全面戦に備えるという美名の下、戦争が勃発する場合、朝鮮の政権を「転覆」することを目標に改正したし、1998年には米帝侵略軍69万人を投入する大規模全面戦に拡大、発展して「指導部除去」と朝鮮に対する軍事的併呑を実現することで「自由民主義体制の下での統一」を遂げるという極悪非道な戦争計画に改められた。

 「作戦計画5015」もやはり、米国と南朝鮮かいらいが北侵合同軍事演習を通じて修正、補足してきた「作戦計画5027」「作戦計画5029」「作戦計画5030」などを全て含んでおり、精密打撃兵器と特殊戦武力でわが国家指導部を「除去」するという天人共に激怒する「斬首作戦」まで含まれている危険極まりない核戦争計画である。

 米国は、これにとどまらず、2013年10月、われわれの核兵器「使用兆候」が感知される場合、通常戦力と核打撃手段で先制攻撃するという「合わせ型抑止戦略」なるものを打ち出し、2014年4月に行われた「ウルチ・フリーダム・ガーディアン」合同軍事演習の時からそれを公開的に適用し始めた。

 2015年8月、米国は「ウルチ・フリーダム・ガーディアン」合同軍事演習を行ったのとタイミングを合わせて、南朝鮮かいらい軍部好戦狂らをあおり立てて軍事境界線一帯で「北からの砲弾発射」事件をつくり上げてわが方の地域に砲撃を加える重大な軍事的挑発を強行することで、朝鮮半島情勢を危機一髪の爆発の局面に追い込んだ。

 米国・南朝鮮合同軍事演習はまた、朝鮮半島問題の平和的解決過程とわが民族の和解と統一運動に莫大な弊害を及ぼした。

 米国は、1954年の「フォーカス・レンズ」なる合同軍事演習を強行して朝鮮問題の平和的解決のための政治会議を破綻(はたん)させ、朝鮮での敵対行為と一切の武装行動の完全な停止を保障することに関する停戦協定第12項を乱暴に蹂躙(じゅうりん)した。

 歴史に板門店事件に記録された重大な軍事的挑発を強行した米国は、1976年から悪名高い「チーム・スピリット」「ウルチ・フォーカス・レンズ」合同軍事演習を毎年繰り広げて7・4北南共同声明の発表で熱した全朝鮮人民の統一熱気に水を差し、共同声明自体を抹殺するために狂奔した。

 1985年に共和国政府の積極的な努力によって北南赤十字会談が再開され、北南間に初めて赤十字芸術団と故郷訪問団の往来が実現する和解の雰囲気が生じた時も、米国は挑発的な「チーム・スピリット」合同軍事演習を強行することで、せっかくもたらされた北南対話をついに破綻させた。

 1990年代に入って数回の北南高位級会談が行われ、意味ある合意が遂げられたが、それもやはり、米国が「寧辺核施設精密打撃」をうんぬんし、核戦争装備を大々的に送り込んだ大規模の合同軍事演習によって、北南関係の実質的な改善へとつながらなかった。

 米国は、歴史的な6・15共同宣言が採択された時、「連合戦時増援演習」「フォール・イーグル」合同軍事演習を統合した大規模の合同軍事演習で対抗したし、10・4宣言が採択された時も大規模の合同軍事演習をヒステリックに行って自主統一機運を骨抜きにしようとあがいた。

 李明博朴槿恵逆徒の執権期間、米国は南朝鮮かいらい当局を北南関係全面遮断と同族対決へ積極的にあおって「キー・リゾルブ」「フォール・イーグル」「ウルチ・フリーダム・ガーディアン」「双龍」「マックス・サンダー」をはじめとする各種の合同軍事演習を大々的に繰り広げて、「合わせ型抑止戦略」と「共同局地挑発備え計画」などを考案して、反朝鮮対決を極へ追い込んだ。

 第23回冬季五輪開幕式をきっかけに、北南間に劇的な和解の雰囲気が生じた時も、米国はオリンピックが終わるやいなや、「キー・リゾルブ」「フォール・イーグル」合同軍事演習を再開して朝鮮半島の和解と協力、平和の雰囲気をあくまで遮った。

 朝米間に平和協定を締結することに関する提案(1974年)、朝米会談に南朝鮮当局も参加する3者会談招集提案(1984年)、新しい平和保障体系樹立提案(1994年)、朝鮮戦争勃発60年になる年に停戦協定を平和協定に切り替えるための会談を早急に始めることに関する提案(2010年)をはじめ、われわれが朝鮮半島問題解決のための平和的発起を打ち出すたびに、米国は南朝鮮かいらいとヒステリックな合同軍事演習を行うことで、自分らの好戦的正体をさらけ出した。

 諸般の事実資料は、米国・南朝鮮合同軍事演習がわが民族の和解と団結、朝鮮半島の平和保障を阻む主な障害物となっていることを実証している。

 現米行政府もやはり、南朝鮮かいらいとの関係を「包括的な戦略同盟」に発展させなければならないと唱えて、かいらい当局の対決ヒステリーをあおり立てている。

 南朝鮮での「政権」交代後、後を絶たずに繰り広げられている米国と南朝鮮かいらい軍の地上、空中、海上合同軍事演習は、そうでなくても不安定な朝鮮半島情勢を最悪へ追い込んでいる。

 去る5月に行われた米国執権者と南朝鮮かいらい逆徒の会談で、「米国・南朝鮮拡張抑止戦略協議体」を再稼働することで合意したのは、今後、原子力空母、核戦略爆撃機原子力潜水艦を含む米国の核戦略資産が任意の瞬間に南朝鮮に循環配備され、南朝鮮かいらい軍との合同軍事演習に随時参加する可能性があることを示唆している。

 .米国・南朝鮮合同軍事演習が周辺諸国に及ぼす否定的影響

  米国・南朝鮮合同軍事演習の危険性はまた、わが周辺諸国の正常な発展と安全に重大な危害を与え、新冷戦の暗雲をもたらしているところにある。

 ヒステリックな米国・南朝鮮合同軍事演習がわれわれだけでなく、中国とロシアも軍事的に制圧するための米国の覇権戦略実現の一環であることは、周知の事実である。

 米国は、急速に成長する中国と強い国家建設を急ぐロシアを自分らの世界制覇戦略実現の主たる「挑戦」「脅威」と規定し、全方位的な対中国・対ロシア包囲網形成に狂奔している。

 その一環として、米国は米国・南朝鮮同盟の役割をわれわれに対する軍事的威嚇・恐喝だけでなく、北東アジア地域で中国とロシアを制圧するための軍事的目的の実現に拡大する道へ進んでいる。

 「同盟強化」の看板を掲げて「クアッド」「オーカス」のような米国主導の経済的・軍事的ブロックに基づいてアジア太平洋地域に「アジア版NATO」をつくり上げ、南朝鮮かいらいと日本、オーストラリアとの双務および多角的な合同軍事演習を定例化して、中国とロシアを抑止する環太平洋包囲網を形成しようとするのがまさに、米国が追求する腹黒い下心である。

 これは、米国がわれわれの核・ミサイル「脅威」をさらに大げさに言い立てて大規模合同軍事演習を行い、これをきっかけにして南朝鮮に「THAAD」を追加配備し、周辺地域に中距離ミサイルを引き込もうとするということを示唆している。

 最近、米国と共に地上と海上、空中で合同軍事演習を頻繁に繰り広げている南朝鮮かいらい当局が、「THAAD」問題に関連するいわゆる「3不政策」を拒否する動向を見せているのもこれと無関係ではない。

 米国が合同軍事演習を合理化するための名分として唱えている「北朝鮮脅威説」は、アジア太平洋地域で自分らの覇権的地位を維持し、中国とロシアを包囲、抑止するための看板にすぎず、米国・南朝鮮合同軍事演習の規模と回数が拡大する場合、南朝鮮は米国の対中国・対ロシア戦略実現の橋頭堡になるであろう。

 諸大国の利害関係が絡んでおり、地政学的にきわめて重要な位置にある朝鮮半島でいったん、戦争が勃発すれば、それは容易に世界大戦に、世界がかつて知らなかった核戦争に拡大するようになっており、これは朝鮮半島と北東アジア地域、ひいては世界の平和と安全に破局的な結果を及ぼすことになるであろう。

 このような情勢展望に鑑みる時、われわれの戦争抑止力こそ朝鮮半島と地域の平和と安定を守り、戦争を防止する唯一で、最も頼もしい手段となる。(了)