10、11月は朝鮮でも柿の季節だ。
朝鮮で最も有名なのはアンビョンカム。アンビョンとは地名(江原道安辺郡)でカムとは柿のこと。
朝鮮で柿の産地は江原道と黄海南道の一部地域に限られていたが、今では平安北道定州地方、咸鏡南道海岸地帯にも広がっている。
品種は、安辺柿、延安柿、海州柿、甕津柿など数十種におよぶ。
中でも美味で最も有名なのが、安辺郡、通川郡、高城郡一帯で栽培されているアンビョンカム(安辺柿)
取材で安辺郡を訪れたことがあるが、郡所在地から周辺の農村、農家の家々に植えられた壮観な柿木の風景に驚かされたことがある。
農家の庭の柿木はその農家の所有。一軒の農家を訪ね収穫したばかりの柿を分けてもらったことがある。家に入り短いやり取りであったが温かい農村の人情に触れた。
農家に上がり込み膝を交えた取材も数多くこなしたが、現実感が全くない韓米の飢餓プロパガンダとは遠くかけ離れている。
もちろん柿を分けてくれた奥さんには朝鮮のウォンで代金を支払った。(了)