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終戦宣言に先立って敵視観点と政策から先に撤回されなければならない 金正恩総書記が施政演説

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 金正恩朝鮮労働党総書記、朝鮮民主主義人民共和国国務委員長が9月29日、朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議第14期第5回会議の第2日会議で歴史的な施政演説「社会主義建設の新たな発展のための当面の闘争方向について」を行った。

 「労働新聞」(9月30日付)は、金正恩総書記は、偉大な金日成金正日主義を指導指針にして勝利に向けて前進してきた朝鮮式の社会主義建設は朝鮮労働党第8回大会を契機にわが国家第一主義を全面的に具現していく画期的な発展段階に入ったと述べ、政治、経済、文化、国防、対外関係をはじめ各部門で起こっている肯定的変化について概括、分析したと伝えた。

 ここでは、朝鮮のマスコミが伝えた施政演説の、北南関係と朝鮮半島情勢について言及した部分を紹介する。

 現在の北南関係について

 金正恩総書記は、依然として不安で重大な梗塞局面から脱していない現在の北南関係と朝鮮半島の情勢について概括評価し、現在の段階での対南政策を宣明した。

 現在、南朝鮮でわが共和国を「けん制」するという口実の下で各種の軍事演習と武力増強策動が露骨に行われており、われわれを刺激し、時を構わず言い掛かりをつける不純な言動を引き続き行っていると述べた。

 南朝鮮当局が引き続き米国に追随して国際共助だけを唱え、外国に出て外部の支持と協力を要求することにのみ汲々としていると述べ、先日、南朝鮮が提案した終戦宣言問題を論じるなら、北南間の不信と対決の火種となっている要因をそのまま置いては終戦を宣言するとしても敵対的な行為が続くであろうし、それによって予想しなかったいろいろな衝突が再発しかねず、全同胞と国際社会に懸念だけを与えるようになるであろうと述べた。

 終戦の宣言に先立って相手に対する尊重が保障され、他方に対する偏見的な視覚と不公正な二重的な態度、敵視観点と政策から先に撤回されなければならないというのがわれわれが引き続き明らかにしている不変の要求であり、これは北南関係を収拾し、今後の明るい前途を開くためにも先決されなければならない重大課題であると明言した。

 北南関係悪化の原因を知りながらも顔を背けて放置し、何の変化も見せない南朝鮮当局の態度を指摘し、今、北南関係は現在の冷却関係を解消し、和解と協力の道へ進むか、そうでなければ対決の悪循環の中で引き続き分裂の苦痛をなめるかという深刻な選択の別れ道に置かれていると述べ、北南関係を根本的に解決する上で提起される原則的問題を明らかにした。

 南朝鮮当局はわが共和国に対する対決的な姿勢と常習的な態度から変わらなければならず、言葉ではなく実践で民族自主の立場を堅持し、根本的な問題から解決しようとする姿勢で北南関係に対し、北南宣言を重んじて誠実に履行するのが重要であるということについて言及した。

 最近、米国と南朝鮮が度を超える憂慮すべき武力増強、同盟軍事活動を繰り広げながら朝鮮半島周辺の安定と均衡を破壊し、北南間にいっそう複雑な衝突の危険を引き起こしていることについて注視していると述べ、米国と南朝鮮の強盗さながらの論理に立ち向かってこれを強力に糾弾し、このような危険な流れを抑止するわれわれの不動の立場を徹頭徹尾堅持し、必要な全ての強力な対策を立てていくべきだと強調した。

 金正恩総書記は、北南関係が回復され、新しい段階へ発展していくか、でなければ引き続き今のような悪化状態が持続するかというのは南朝鮮当局の態度いかんにかかっているということについて再度明白に想起させると述べ、われわれは南朝鮮に挑発する目的も、理由もなく、危害を加える考えがない、南朝鮮北朝鮮の挑発を抑止しなければならないという妄想と甚だしい危機意識、被害意識から早く脱しなければならないと指摘した。

 金正恩総書記は、梗塞している現在の北南関係が一日も早く回復され、朝鮮半島恒久平和が訪れることを望む全民族の期待と念願を実現するための努力の一環としていったん10月初めから関係悪化で断絶させた北南通信連絡線を再び復元するようにする意思を表明した。

米国の対話提案は敵視政策の延長

 金正恩総書記は、現在の国際政治情勢を分析し、対外活動部門が多事にわたる変化の多い外部的環境にいっそう主動的に、積極的に対処していくことについて明らかにした。

 こんにち、世界が直面した重大な危機と挑戦は一つや二つではないが、より根本的な危険は国際平和と安定の根幹を崩している米国とその追随勢力の強権と専横であり、米国の一方的で不公正な組分け式対外政策によって国際関係の構図が「新冷戦」構図に変化しながらいっそう複雑多端になったのが現在の国際情勢変化の主要特徴であると言えると分析した。

 新しい米行政府の出現以降の8カ月間の行跡が明白に示したようにわれわれに対する米国の軍事的脅威と敵視政策は少しも変わったものがなく、かえってその表現形態と手口はいっそう狡猾(こうかつ)になっていると述べ、今、米国が「外交的関与」と「前提条件のない対話」を主張しているが、それはあくまでも国際社会を欺瞞し、自分らの敵対行為を覆い隠すためのベールにすぎず、歴代の米行政府が追求してきた敵視政策の延長にすぎないと述べた。

 金正恩総書記は、対外活動部門で現在の米行政府の対朝鮮動向と米国の政治情勢展望、急変する国際力量関係を相互連関の中で厳密に研究、分析したことに基づいて共和国政府の対米戦略的構想を徹底的に実行するための戦術的対策を立てることに万全を期するための課題を示した。

 対外活動部門でいっそう不安定になっている国際政治情勢と周辺環境に主動的に対処するとともに、われわれの国権と自主的な発展利益を徹底的に守るための活動に主な力を入れることについて明らかにした。

 金正恩総書記は、共和国政府は今後もわが国の自主権を尊重し、わが国に友好的に対する世界各国との善隣・友好関係を発展させ、朝鮮半島の平和と安定を守るための闘争でその責任と役割を果たすと確言した。(タイトル、中見出し、ゴシック体は本サイト編集部)