南浦市千里馬区に位置する千里馬製鋼連合企業所。
朝鮮労働党第8回大会で打ち出された5か年計画は金属工業と化学工業をキーポイントとする整備補強戦略。
千里馬製鋼連合企業所は金策製鐵聯合企業所、黃海製鐵聯合企業所とともに朝鮮を代表する総合的な大冶金基地で、超高電気炉、酸素熱法技術を確立、発展させ鉄鋼材生産を増やすことが課題。
課題実現の核心は輸入せざるを得ないコークスに頼る製鋼技術を排除すること。金属工業自力更生の鍵だ。化学工業における石炭ガス化、石炭液化技術の確立とともに自力更生の実現を左右する。
金属、化学工業における技術発展と自力更生は、米国と安保理制裁を無力化させ、経済発展を力強く推し進めるための核心課題だ。
コークス炉による鉄鋼剤生産にはすでに終止符が打たれ、50万バレルを上限にする石油精製品の輸入制限も無力化している。またC1化学工業の発展で中ロからの石油精製品輸入は上限の三分の一にも満たない水準に落ち込んでいる。
金属、化学工業ともに自力更生が急速に進んでおり、米国が狙う朝鮮の経済的疲弊は望めそうもない。
ちなみにトランプ政権がハノイ会談でウラン濃縮の秘密施設と疑い廃棄を求めた「カンソン」は千里馬製鋼連合企業所のこと。残念ながら千里馬製鋼連合企業所には秘密施設は存在しない。(了)