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MK通信(93) 朝鮮「飢餓」プロパガンダは真っ赤な嘘だった

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 朝鮮が国連で2018年から2020年の3年間の穀物生産量を明らかにしたことで、韓国の情報機関である「国家情報院」と国連食糧農業機関(FAO)が行ってきた、朝鮮の「食糧難」、「飢餓」プロパガンダが真っ赤な嘘であることが明らかになった。

 その実態は、朝鮮が昨年の穀物生産量を発表していないことを利用して、穀物生産量と穀物需要量を捏造、その差を約100万トンになるように数字合わせをして、食糧不足、「飢餓」を流布する、極めて悪質で稚拙な黒色宣伝であった。

でっち上げた荒唐無稽な食料不足

 朝鮮は7月13日に国連で「持続可能な発展目標(SDGs)」を明らかにした「自発的な国家レビュー(2021 VNR Report DPRK)」を発表した。17の目標、95の細部目標、132の指標が示されているが、この中にはもちろん食料の自給自足目標が掲げられており、その中で2018年、19年、20年の穀物生産量が明らかにされている。

 これによれば、2018年の穀物生産量は495万トン、2019年は過去10年で最高の665万トン。昨年2020年は自然災害の影響が大きく552万トンに止まった。

 これが過去3年間、朝鮮政府が公式に国連で明らかにした穀物生産量である。

 しかし、韓国の国家情報院は、まだ朝鮮の穀物生産量が明らかにされていない去る2月に、朝鮮の昨年(20年)の穀物生産量は440万トンで、需要量550万トンと比べると、100万トン余りが不足すると国会に報告した。

 朝鮮が上記「持続可能な発展目標(SDGs)」の中で昨年の穀物生産量が552万トンと公式に明らかにしており、穀物生産量を440万トンとした国家情報院の発表が、何の根拠もないまったくのでっち上げであったことは明らかだ。国家情報院は朝鮮の穀物生産量を知る情報源を持っておらず、その発表は「推察」という前提でなされており、実に悪質な「飢餓」プロパガンダ以外の何物でもない。

 もう一点、注意すべきは穀物需要量550万トンとする発表にも何の根拠もなく勝手に作り上げた数字だ。FAOは2019年に朝鮮の穀物需要量は575万トンと発表したが、もちろんFAOの需要量にも何の根拠もない。国家情報院はこの数字を参考に生産量440万トン、需要量を550万トンとすることで、食料不足が100万トンになるように数字合わせをしたのであろう。

 このような捏造劇は、昨年の朝鮮の穀物生産量が552万トンであることが明らかになり完全に破綻した。笑えるのは朝鮮の穀物生産量がFAOと国家情報院が発表した穀物需要量をほぼ満たしていることだ。捏造した数字が、食料不足を否定する皮肉な結果を招いているのである。

 韓国では国家情報院に続き、韓国政府系シンクタンクの韓国開発研究院(KDI)、韓国・農村振興庁などが朝鮮の食糧危機を発表しているが、数字は国家情報院発表をなぞっており、文在寅政権が米国の意向に沿って発表者だけを変え執拗に「飢餓」プロパガンダを行っていることを示している。

 机上の数字合わせ

 荒唐無稽な「飢餓」プロパガンンダの実態はFAOの発表を見るとより鮮明だ。

 FAOは去る6月14日に朝鮮の今年の食糧不足は86.5万トンののぼると発表した。 昨年(20年)の生産量は489万トンで需要量595万トンと比べると役100万トン不足し、輸入で20.5万トンは補うが、それでも86・5万トンが不足するというのだ。

 こみ上げる笑いを禁じ得ないが、朝鮮の食糧計画と輸出入は朝鮮が決めるのであって、FAOが決めるわけではない。

 にもかかわらず、根拠もなく穀物生産量を実際より50万トンも低く「推察」発表して、輸入数量まで決めて100万トン不足説を流布している。注意深い読者は気が付いたと思うが、2019年には575万トンとした需要量を何の説明もなく595万トンに引き上げている。また朝鮮では穀物の輸入計画がないのにも関わらず20.5万トンを輸入すると勝手に発表している。

 このような事実は、FAO発表は、なんとしても朝鮮の「飢餓」プロパガンダを成立させるための、机上の数字合わせに過ぎないことを物語っている。

無知な大手紙と自称「専門家」

 米日韓の政府とマスコミは、去る6月15日の党中央委員会総会で金正恩総書記が「人民の食料状況が緊張している」と述べたことを「飢餓」プロパガンダに利用しようと躍起になっている。

 しかしこれは朝鮮に対する無知と情報不足をさらけ出す愚かな行為に過ぎない。

 金正恩総書記が指摘した「緊張」とは穀物の不足ではなく、一昨年に比べて昨年の米の収穫量が落ちたことからくる米の不足を指すもので、国家備蓄で不足分を補った。党総会以後ピョンヤン市をはじめ各地の精米所でかなりの量の精米が行われている。食料不足や「飢餓」とは縁遠い話で、近年高まる食の質を保つための措置とみるのが妥当である。

 どこの国でも米などの食料を備蓄しており、必要によって放出する。朝鮮でも同様だ。自然災害による減収は事実だが、米の不足分を備蓄米の放出で補ったもので「飢餓」と結びつけるのは意図的な飛躍に過ぎない。

 蛇足になるが「緊張」発言をめぐり、「軍の備蓄米放出」「とうもろこしの緊急配給」などなど、何も知らずに無知をさらけ出している大手紙と自称「専門家」の言動には開いた口が塞がらない。

 食糧問題をはじめ朝鮮を貶める「悪魔化」キャンペーンが執拗に行われているが、質とレベルの低下は目を覆うばかりの水準で、小学生の作文よりも低レベルなものが多い。

 嘘を嘘で塗り固め、人々がおなかを減らしてさまよう空想の朝鮮を作文し描いたからと言って朝鮮が崩壊するわけではない。米日韓の国民の目を覆い世論を誤らせる愚かなプロパガンダに過ぎない。

火のない所に煙は立つ

 執拗に行われている朝鮮「飢餓」プロパガンダの背後には米国が存在する。

 韓国の情報機関が米CIA韓国支部の指揮下にあることは、過去に起きた軍事クーデター時に駐韓米大使とCIA支部長が「大活躍」した経緯から広く知られており秘密ではない。またFAOも米国の意をくんで朝鮮の「飢餓」プロパガンダを担ってきており、背後に米国が潜んでいることは間違いない。実際FAOの発表などは、まずCIAによって設立された反共プロパガンダ機関であるRFA「ラジオフリーアジア」などによって報じられ、これに基づき韓日のマスコミによって拡散されている。

 米国による反共プロパガンダはファクトであるかないかは別段問題視しない。ターゲットにする相手を貶め攻撃することが目的であるため、攻撃材料がなければ捏造して作り上げ、まるで事実であるかのように装う。その「証拠」なるものも作り上げるのが常だと言っても言い過ぎではない。

 米国の反共プロパガンダは嘘で固められている。

 火のない所に煙は立たぬ、という常識は通用しない。火のない所に煙は立つのだ。煙を立たせる火種は米国が敵と考える相手に対する途方もない悪意と強い敵意だ。

 米国の覇権を認めず、その侵略と略奪に反対し戦う国々に対する悪意と敵意に基づくでっち上げ、嘘と捏造には際限がない。中国、香港、ロシア、キューバ、シリア、イランなどに対するいわれのない攻撃を見れば明らかで、朝鮮も例外ではない。

 嘘で固めた帝国、嘘つき米国に未来はあるのか?(M.K)