党中央委員会総会で「対話にも対決にも全て準備ができていなければなら」ないと述べた金正恩総書記の発言に関連、「興味深い信号」と述べ朝鮮が対話再開に関心を持っているかのように解釈したサリバン米大統領補佐官の発言は誤った期待だ。
朝鮮労働党中央委員会の金與正副部長は22日、談話を発表し朝米対話再開に対する米国の根拠なき期待にくぎを刺した。
金與正副部長の談話全文は以下の通り。
「米ホワイトハウスの国家安保補佐官が、わが党中央委員会の総会が今回、宣明した対米立場を『興味深い信号』と見なしていると発言した報に接した。
朝鮮のことわざに、夢より夢占いという言葉がある。
米国はおそらく、自らを慰める方に占っているようだ。
自ら誤って持つ期待は、自身をさらなる失望に陥れるであろう」
【解説】朝鮮の基本姿勢に変化はない
金正恩総書記は朝鮮労働党中央委員会第8期第3回総会の第3日目の会議(6月17日)で、対米関係において堅持する朝鮮の立場について次のように述べた。
「わが国家の尊厳と自主的な発展・利益を守り、平和的環境と国家の安全を頼もしく保証するためには対話にも対決にも全て準備ができていなければならず、特に対決にはより手落ちなく準備ができていなければならない」「時々刻々変わる状況に鋭敏かつ機敏に反応、対応し、朝鮮半島の情勢を安定的に管理していくことに力を注がなければならない」
米国が「調整されたアプローチ」と名付けた対朝鮮政策を打ち出し、「ボールは渡った」「対話再開の環境は整った」などと強弁して、朝鮮側に対話に応じるよう求めていたのは周知の事実。
これに対して朝鮮側は公式的な反応を示してこなかったが、去る5月31日、米国の提案を「権謀術数」とした国際問題評論家であるキム・ミョンチョル氏が発表した文を、朝鮮中央通信を通じて配信していた。
対話再開に極めて否定的と言えるこの指摘に、米韓は あえて“公式反応ではない”と顔を背けていた。
金正恩総書記の発言はこのような中でなされたもの。対外メッセージというより、内部結束のために示された対米立場というのが正確だ。また、金正恩総書記の発言が、米国を最大の主敵とする戦略的観点、敵対政策が撤回されない限り朝米対話に応じないとする基本姿勢の変化を意味するものでないことはあまりにも明らかだ。
にもかかわらず、米国はこれを対話に力点を置いたメッセージと我田引水に解釈し幻想を振りまいていた。
朝鮮側は金與正副部長談話を通じて、朝鮮に一方的非核化を迫る関与の道を開こうと必死にもがく米国と米国に追従する文在寅政権にくぎを刺し、米国の「調整されたアプローチ」は敵対政策撤回とは程遠く、対話再開に質さないことを明確に示したと言えるた。(了)