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米国が執着する対朝鮮敵視政策の集中的な表現 ミサイル制限撤廃を非難

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 朝鮮中央通信は5月31日、国際問題評論家であるキム・ミョンチョル氏が発表した文「何を狙った『ミサイル指針』の終了なのか」の全文(朝鮮語、英語、日本語など)を配信した。

 文は、今まで800キロとしていた韓国のミサイル射程制を撤廃した「米国の行為は故意的な敵対行為である」と非難した。

 韓国の聯合通信はこの文に関連、「外務省の高官や報道官名義ではなく論評員名義とすることで非難のトーンを抑え、今後、外交的に動ける余地を残した」と報じているが、我田引水に過ぎるようだ。

 文は、これを「米国が執着する対朝鮮敵視政策の集中的な表現」と指摘しただけではなく、「多くの国はバイデン行政府が考案した「実用的接近法」だの、「最大の柔軟性」だのという対朝鮮政策基調が単なる権謀術数にすぎないということを感じている」と強調している。さらに「南朝鮮当局者」という表現ながら、文在寅大統領の行動に対して「その卑陋(ひろう)なざま」と嫌悪感を露わにしている。

 米韓が必死になって求める、朝米交渉、北南対話の再開は容易ではなさそうだ。

以下に「何を狙った『ミサイル指針』の終了なのか」の全文を紹介する。

 先日、米国を訪問した南朝鮮の当局者が現地で行われた共同記者会見で、米国・南朝鮮「ミサイル指針」が終了した事実を公表した。

 これは、南朝鮮が最大800キロメートルに限定された射程の制限から脱して、わが朝鮮の全域はもちろん、周辺諸国まで射程圏に入れられるミサイルを開発できるようになったということを示している。

 すでに、国際社会と南朝鮮の内部からはミサイル射程の制限解除によって南朝鮮が最も早い日時内に大陸間弾道ミサイルと潜水艦発射弾道ミサイルはもちろん、極超音速ミサイルまで開発できるという尋常でない世論が出回っている。

 これまで数回にわたって「ミサイル指針」の改正を承認して弾頭重量の制限を解除したことにも満足せず、射程の制限までなくすようにした米国の行為は、故意的な敵対行為であるとしか他には言えない。

 「ミサイル指針」の終了は、朝鮮半島で情勢激化をもたらす張本人が果たして誰なのかを再び示している。

 われわれの自衛的措置をあくまでも国連「決議」違反に仕立てながらも、追従者には無制限のミサイル開発権利を許し、口先では対話をうんぬんしながらも、行動は対決につないでいくのが、まさに米国である。

 これは、米国が執着する対朝鮮敵視政策の集中的な表現であると同時に、破廉恥な二重の行動を自らさらけ出す生きた証拠となる。

 現在、多くの国はバイデン行政府が考案した「実用的接近法」だの、「最大の柔軟性」だのという対朝鮮政策基調が単なる権謀術数にすぎないということを感じている。

 米国が南朝鮮のミサイル「鉄鎖」を解いてやった目的は、朝鮮半島と周辺地域で軍備競争をさらに助長し、われわれの発展を阻害しようとするところにある。

 これとともに、南朝鮮を軍事的によりしっかり掌握し、ミサイルの射程を延ばしてやる代価として、われわれの周辺諸国を狙った中距離ミサイルの配備を合法的に実現してみようとするのが米国の下心である。

 米国は、誤算している。

 米国が朝鮮半島と周辺地域で非対称的な不均衡を醸成してわれわれに圧力を加えようとするのは、停戦状態にある朝鮮半島の先鋭で不安定な状態をいっそう悪化させる重大な失策となる。

 われわれの標的は南朝鮮軍ではなく、大洋向こうの米国である。

 南朝鮮を押し立てて覇権主義的目的を実現してみようとする米国の打算は、我が手で首を絞める愚行になるだけである。

 仕返しは三層倍ということわざがある。

 米国と南朝鮮当局が、自分らが追求する侵略野望を明白にさらけ出した以上、われわれの自衛的な国家防衛力の強化に対して口が十あっても言うべきことがなくなった。

 われわれは強対強、善対善の原則に基づいて米国に対するであろうし、朝鮮半島の情勢激化はわれわれを脅かす勢力の安保不安定につながるであろう。

 この機会に、「うれしい気持ちでミサイル指針の終了事実を伝える」としてせん越に振る舞い、地域諸国の照準鏡の中に自ら頭を突っ込んだ南朝鮮当局者の行動に対しても一言言わざるを得ない。

 何かしでかしてから、罪意識に包まれてあちこちの反応がどうなのかについて神経をとがらせてうかがう、その卑陋(ひろう)なざまが実に鼻持ちならない。

 国際社会は、米国が言い立てる国連「決議」違反の声に耳を傾けるのではなく、われわれの目前で働かされる重大な挑発行為に当然な注目を向けるべきであろう。(国際問題評論家 キム・ミョンチョル)