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【解説】「国家保安法」を振りかざし民主統一運動を弾圧する文在寅政権

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現代版「焚書坑儒

 「私は4.19革命に参加した後に62年間祖国の民主と祖国統一のために奮闘してきた。 1978年から2010年までの出版社を運営し、軍部独裁の深刻な言論弾圧とも戦ってきた。軍部独裁勢力も出版弾圧をあえてできなかったが、私たちがローソク革命で建てた現政権によって現代版焚書坑儒を強いられ、怒りが天を衝く。人間の基本権である言論の自由、知る権利を奪う国家保安法を撤廃しよう!もう轡をくわえて生きていくことはできない」

 故金日成主席の回顧録「世紀とともに」を出版して自宅と事務所を家宅捜索(26日)された、キム・スンギュン図書出版・民族サラン房代表が28日に行われた記者会見での発言だ。この会見は「国家保安法廃止国民行動」が家宅捜索を非難してソウル警察庁前で組織した

 「焚書坑儒(ふんしょこうじゅ)」とは、古代中国の秦代に発生した思想弾圧事件。焚書は「書を燃やす」こと、坑儒とは「儒者を坑に生き埋めにする」を意味する。(ウィキペディア

 キム・スンギュン代表は焚書坑儒」に例えて、過去の軍事独裁政権もできなかった出版弾圧を、文在寅政権が強行していると非難したのだ。

 この一件だけではなく最近文在寅政権下での韓国では「国家保安法」による弾圧事件が相次いでいる。

 去る4日にはリ・ジョンフン4.27時代研究員が逮捕され、27日には忠清北道市民運動家4人に対する家宅捜索が行われた。さらに29日には祖国統一汎民族連合南側本部のウォン・ジヌッ事務処長など幹部が起訴されるなど枚挙にいとまがない。

 「国家保安法」による弾圧は情報機関である「国家情報院」と公安警察によって強行されており、その手法は尾行、盗聴などの違法行為を伴っており、過去の軍事独裁、反共保守政権下での弾圧事件と何ら変わることがない。

 これは“国家翻案法は形骸化した”としてきた文在寅政権と与党の弁明が、国民の悪法撤廃要求をかわすための欺瞞的言説に過ぎなかったことを示している。

剥がれる偽善の仮面

 文在寅政権がローソク革命の結果生まれたのは周知の事実。李明博朴槿恵の反共保守政権下で積み上げられた弾圧、不正腐敗、真相隠蔽、南北対立等々の弊害を韓国では積弊と言われるが、積弊の清算は、大統領選挙腕ローソク革命を起こした民衆の支持を得るために文在寅候補が掲げた公約であった。

 「国家保安法」の廃止もその一つであるが、積弊の清算は遅々として進んでいない。原因は、政権を失った反共保守野党との“協治”を叫び、表向きには積弊の清算を叫び、実際には背を向けてきた文在寅大統領自身にある。

 文在寅大統領の任期は1年を切ったが、過去4年余の期間に、この政権がまともに行った積弊の清算、民主改革は何もないと言っても言い過ぎではない。

 文在寅大統領が発する言葉に惑わされるのではなく、実際に何が行われ、何が起こっているのかを直視しなければならない。

 相次ぐ「国家保安法」による弾圧事件は、“民主的改革者”のように振る舞ってきた文在寅大統領の偽善の仮面を剥がし、その醜い正体をさらけ出している。(了)