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【解説】駐韓米軍司令官の矛盾する言説、コロナで偽情報垂れ流す稚拙なプロパガンダ

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 エイブラムス駐韓米軍司令官が、朝鮮が朝中国境に「特殊部隊を配置した」と述べた。新型コロナウィルスの流入を防ぐためで、「彼らは無断で国境を越えて、北朝鮮に入って来る者を射殺する命令を受けた」とも述べた。

 真偽が定かでない、というよりも、どう見ても何の裏付けもない偽情報だ。

 駐韓米軍司令官という高級軍人が、米国戦略国際問題研究所(CSIS)が主催して開いたビデオ会議(10日)という公の場所で述べたというから驚かざるを得ない。

 朝鮮が新型コロナウィルスの流入を防ぐために国境管理を強化していることは事実だが、それは防疫部門と警察の仕事で、軍が出張ることではない。ましてや特殊部隊が朝中国境に配備されたとなれば大事件で中国側が反応してしかるべきだが、その兆候は全くない。

 エイブラムス発言が真っ赤な嘘であることは、同司令官自信が去る4月に、朝鮮にコロナが流入し、感染者が発生していると述べていたことを見れば明らかだ。この発言はVOAとCNNに対して行われた。(VOA、4.23)

 コロナ感染症流入を防ぐために「特殊部隊まで配備」して「射殺命令」が出されたとすれば、それは朝鮮にコロナが流入していないことの裏返し。朝鮮に感染症が発生していると公言していたエイブラムス駐韓米軍司令官が、一転、朝鮮に感染症流入していないことを認めた形になっている。

 実に軽薄な発言で、4月と今回の発言が矛盾しているばかりか、何らの裏付けもない偽情報であることを示している。

 エイブラムス発言にみられるこの種のプロパガンダは多くの米国要人や研究機関からも聞こえてくる。その特徴は、嘘に塗り固められた事実無根のでっち上げに基づくもので、子供同士のけんかによくみられる「お前のかあさんでべそ」レベルの稚拙なプロパガンダに過ぎないということだ。

 超大国・米国の高官や高級軍人の口から発せられるプロパガンダにはただあきれるばかりだが、この国のトップの言動を見ていると、さもありなん、と思わざるを得ない。

 韓国の保守系紙の報道によれば、トランプ大統領が「Rage(激怒)」の著者に「北朝鮮も(コロナで)激しいダメージを受けた」と述べたという。大統領選挙に有利に作用すれば事実でも嘘でも関係ないということのようだ。

 トップから末端官僚まで平気で偽情報を垂れ流すこの国から品位のかけらも探すことができない。(了)