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【解説】軍事演習中止、ワーキンググループ解体要求 韓国で支持世論広まる

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ソウルの光化門米大使館前記者会見した8.15推進委メンバー

 韓国で反米世論が高まっている。特に南北関係悪化に伴い、文在寅政権に対する期待も剥落し、反米の声は各界各層に広がっている。

強まる反米世論

 朝米及び南北関係の悪化に危機感を抱いた韓国の市民団体によって作られた、「8.15民族自主大会推進委員会(8.15推進委)」は10日午前、ソウルの光化門米大使館前で記者会見を開き、▲韓米連合軍事訓練中止▲韓米ワーキンググループ解体―を求めて多彩な緊急行動を行うと明らかにした。6.15共同宣言実践南側委員会、独立功労者遺族会、全国女性農民会総連合、民主労総、全国農民会総連合、韓国進歩連帯、民家協、大韓仏教青年会、カトリック青年会、統一先鋒隊などの所属団体が、10~14日の間に、デモ、米大使館前での集中行動、進歩党オンライン演説会、大学生実践団による米大使館から青瓦台までのデモ行進等々を行い、8月15日には「光復75周年8.15民族自主大会」を開く計画。

 8.15推進委は、北南共同連絡事務所爆破にみられる南北関係の悪化などを背景に、さる7月1日、6.15共同宣言実践南側委員会、YMCA、YWCA、興士団、民主労総、韓国労総、全国農民会総連合、民衆共同行動、韓国進歩連帯などの市民社会団体によって結成された。結成後7月25日には、韓米ワーキンググループ解体、韓米連合軍事訓練中止、対北ビラ散布中断を求める非常時局宣言文発表に至るが、驚くべきことは3.722の団体と22.374人の個人がその趣旨を支持して参加したことだ。非常時局宣言の発表を契機に韓米ワーキンググループ解体、韓米連合軍事訓練中止要求が好感され、光州、釜山、大邱などの主要地方都市にも広がっている。

剥落する文在寅政権への期待

 8.15推進委の主張と行動が多くの市民団体、個人に受け入れられ広まっており、朝米、南北関係をめぐる韓国の国民世論が大きく変わりつつあるように見える。

 6.15共同宣言実践南側委員会のキムギョンミン常任代表は、当初非常時局宣言に対する賛同団体を2000と見たが、「予測をはるかに超えた(3.722団体)」と驚きを隠さず、「南北関係の危機克服と韓半島の平和を望む市民の意志が大きい」と分析した。

 さらに、上述のように非常時局宣言文の主な要求は韓米ワーキンググループ解体、韓米連合軍事訓練中止。この要求が広がるには、米韓による「北の脅威」プロパガンダが大きな壁になっていた。しかし、ここにきて「北の脅威」よりも、北側指導部の「斬首作戦」を含んだ韓米連合演習が「危険」で平和を脅かしているとの認識が広まりつつあり、軍事訓練中止要求が好感されるに至っているとみられる。

 韓米ワーキンググループについても、米国の傲慢で横暴な介入が南北関係の進展を妨げているとの印象が広がっており、米国の干渉を受け入れ追従する文在寅政権に対する期待も剥落している。世論調査文在寅政権に対する支持率が低下している要因の一つが南北関係の悪化であることは衆目の一致するところだ。

 北南共同連絡事務所の爆破と関連して、一部で北に対する南の国民世論が悪化するとの推測が一部でなされていたが、南北の平和繁栄を望む韓国民の気持ちを踏みにじる醜悪な「脱北者」団体の行動を野放しにして、南北首脳会談の約束を踏みにじった文在寅政権に対する失望が大きかったようだ。

 朝鮮半島の分断と緊張の原因は、すべて「北にある」とされた根拠なき認識に変化が起きている。一方的なプロパガンダで韓国国民を分断構造に縛り付けようとする、米国と文在寅政権、反共保守勢力の旧態依然とした姿勢は、徐々に韓国国民の意識から乖離しつつあるように見える。(了)

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国防部の前で韓米連合軍事訓練中止を要求する市民団体(8日)