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帝国主義者の制裁は万能の武器ではない 労働新聞論評(2019.10.21)

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「ギデオン作戦」失敗で、ベネズエラに捕らえられた傭兵たち

 米国による、中国やイラン、ベネズエラ、朝鮮などに対する圧力と制裁が強まっている。コロナパンデミックの中で、その責任を中国に押し付けるだけでなく、香港での暴力デモに対処する国家安全法問題を契機にする中国攻撃は狂気じみている。またマドゥロ大統領を脅かした「ギデオン作戦」は失敗に終わったが、ベネズエラに対する圧力は引き続き強まっている。さらにイランやシリア、キューバ、朝鮮に対する圧力と制裁が強化されていることも言うまでもない。しかし「ギデオン作戦」の失敗にみられるように、米国は決して自主的で連帯して戦う国々を屈服させることはできない。米国が甘言と制裁、軍事力でイラクリビアを瓦解させた時代はもはや過ぎ去った。

 以下に労働新聞(10月21日付け)に掲載された論評「帝国主義者の制裁は万能の武器ではない」を紹介する。(翻訳、中見出しは本サイト編集部)

帝国主義者の制裁に恐怖して譲歩すれば亡びる

 国際舞台で制裁の棍棒を振り回して、他の国の自主的発展を抑制し、篭絡する帝国主義者の策動がこれまで以上に悪辣になっている。正義を踏みにじり暴力と強権を日常的に行使して、執拗な制裁策動に引き続きしがみついている。

 世界各地で強行される帝国主義者内政干渉と制裁策動に世界は混乱に落ちており、人民は大きな不幸と苦痛を強いられている。

 米国をはじめとする西側勢力は彼らに迎合しない国に制裁を加えて圧力をかけている。一方では、彼らの要求を受け入れるなら制裁を解除することもあると騒いでいる。

 「にんじん」と「ムチ」を交互に振り回して白旗を掲げさせるのが帝国主義者の下心である。一歩の譲歩は、百歩の譲歩につながり、結局は滅ぼされる。

イラクリビアの教訓

 イラクリビアの実態がそれを物語っている。

 湾岸戦争以後、米国は「人権問題」、「大量殺戮兵器の開発問題」などを口実にイラクに制裁と圧力を加えた。イラクは、米国の干渉策動に強硬に相対する代わりに一歩一歩後退した。米国の要求通り、国連武器査察団の査察を承認し、大統領宮殿をはじめとするすべての場所を開放した。せっかく整えた軍事力も自から弱体化させた。米国は武力でイラクを粉砕して簡単にこの国を占領した。

 一時リビアは、比較的安定した地域大国として認められていた。古くから反米感情が非常に強かったカダフィ政権を倒すために陰に陽に策動していた米国は、核先制攻撃戦略を公然と提唱しながら海上封鎖と軍事的打撃について騒ぐ一方、この国に国防力を放棄すれば、多くの「援助」を与えるという世論を流布させた。米国の甘言に誘惑されたリビアの指導部は米国と妥協する道を選んだ。妥協の結果は悲惨だった。帝国主義者の策動に、最後まで立ち向かって闘わずに、譲歩したせいで、この国は主権を蹂躙されて、社会的無秩序と混乱に陥り人民は不幸と苦痛にあえいでいる。

 イラクリビアの実態は自分の力をを信じられず、帝国主義者の脅威と恐喝、制裁圧迫を恐れ動揺しながら後退してしまっては、国権を蹂躙されることになり、自分の手で自分の目を突くように、自滅の道を歩むことになるという深刻な教訓を与えた。

 今日の現実は強権と専横を事にする帝国主義者の策動を粉砕してしまわなければ、世界が決して平穏でいられず、人類が安らかに過ごすことができないことを示している。

自主的な国々に対する圧力

 現在米国をはじめとする西側勢力は、金融制裁と貿易制限措置を取るなど、専横を事にしながら反帝自主的な国々に対する圧力を強化している。

 帝国主義者が制裁を加えるのは、自身の気に障る国々の経済を混乱させ、民心を不安にして政権交代を実現し、隷属することに目的がある。このため、国の内政に干渉しながら、政治体制を不安定にすることに多くの金額の資金を支出している。

 今キューバベネズエラ、イランをはじめとする多くの国が西側勢力の制裁と圧力を受けている。

 キューバは延々60年もの間米国の制裁と封鎖の中で暮らしている。米国の厳しい制裁策動にキューバ経済が被った総損失額は、ほぼ1兆US $に達するという。キューバは制裁と封鎖の中でも屈することなく、社会主義の旗を高く掲げている。

 最近キューバ共和国主席は新しく選挙された国の指導部の課題について講演し、キューバへの脅威が強化されればされるほど、より一層団結を強くするもので、キューバ革命は米国の脅威に対抗し、人民と共に自身の信念を守っていくと強調した。

 西側勢力はベネズエラの内政問題に干渉して、この国の合法的な政府を無視して反政府勢力を支持しながら内部矛盾を激化させている。過酷な制裁を突きつけ政権交代を強要しようとしている。しかし、ベネズエラに対する西側の干渉策動は、事実上失敗したと外信は評している。

 米国はイランの核合意から脱退すると同時に、イランとこの国を助ける国に強力な制裁を加えると宣言して、その実行に着手した。イランは、米国こそ、過去数十年の間に、自分の国際的な義務を全く守っていない信頼できない国だとしながら、米国に屈服せず強硬に対応している。

 少し前にロシア首相はキューバ訪問期間に行った演説で、ソ連とロシアに対する制裁は、10余回実施されたが、この制裁でわれわれの対内外政策が変化したことは一度もない、今でもそう今後もそうだろうと述べた。

 現実は、米国をはじめとする西側の制裁は、万能の武器でないことを示している。西側は彼らの利益に合わないとみるとむやみに制裁を加え、制裁ですべてを解決しようとしている。帝国主義者の制裁策動に妥協する方法では絶対に国を守ることができず、人民の幸も実現することができない。帝国主義者の制裁に恐怖して譲歩すれば亡びる。

 国の自主権と民族の尊厳は、誰かが与えてくれるものでもなく、守ってもくれない。ただひとつ帝国主義者との闘争を通じてのみ守ることができる。(了)